Circulation誌:心房細動PFAにおける鎮静・麻酔法の比較 ― COOPERATIVE-PFA試験(3群ランダム化比較試験)―
勉強会
2026.07.30 麻酔科抄読会サマリー
Sochorová V, Krčmář M, Wichterle D, et al.
Comparison of Sedation Strategies for Pulsed Field Ablation of Atrial Fibrillation: The COOPERATIVE-PFA Randomized Clinical Trial.
Circulation. 2025;152;3:150-159
Sochorová V, Krčmář M, Wichterle D, et al.
Comparison of Sedation Strategies for Pulsed Field Ablation of Atrial Fibrillation: The COOPERATIVE-PFA Randomized Clinical Trial.
Circulation. 2025;152;3:150-159
目的
PFAにおける3種類の鎮静法の安全性を比較するRCT。
PICO
P: AF患者127例
I: レミマゾラム持続+ケタミン
C: プロポフォール深鎮静またはTIVA
O: 介入を要する低酸素・低血圧・高血圧
I: レミマゾラム持続+ケタミン
C: プロポフォール深鎮静またはTIVA
O: 介入を要する低酸素・低血圧・高血圧
方法
単施設、前向き、被験者盲検、3群並行無作為化比較試験(1:1:1)として実施された。心房細動に対するパルスフィールドアブレーション(PFA)予定患者127例を、
・従来型プロポフォール・オピオイドボーラスによる深鎮静(P群)
・レミマゾラム持続投与+ケタミンボーラスによる深鎮静(R群)
・ラリンジアルマスクで気道確保したプロポフォールTIVA(TIVA群)
に割り付けた。
主要評価項目は、低酸素血症、低血圧、高血圧のうち介入を要した有害事象の複合エンドポイントとした。副次評価項目には、血行動態イベント数、気道介入回数、手技時間、BIS値、患者・術者満足度、重篤有害事象などを設定した。
・従来型プロポフォール・オピオイドボーラスによる深鎮静(P群)
・レミマゾラム持続投与+ケタミンボーラスによる深鎮静(R群)
・ラリンジアルマスクで気道確保したプロポフォールTIVA(TIVA群)
に割り付けた。
主要評価項目は、低酸素血症、低血圧、高血圧のうち介入を要した有害事象の複合エンドポイントとした。副次評価項目には、血行動態イベント数、気道介入回数、手技時間、BIS値、患者・術者満足度、重篤有害事象などを設定した。
結果
127例(平均年齢62.9歳、女性35%)が解析対象となった。主要複合エンドポイントはP群85.7%、R群27.9%、TIVA群66.7%であり、R群はP群およびTIVA群と比較して有意に少なかった(いずれもP≤0.002)。一方、P群とTIVA群の間には有意差を認めなかった。
イベントの内訳では、P群では低酸素血症(85.7%)が主要因であり、多くの症例で気道介入を要した。一方、TIVA群では低血圧(66.7%)が最も多く、昇圧薬投与を要する症例が有意に多かった。R群では低酸素血症(14.0%)および低血圧(18.6%)のいずれも少なく、最も安定した循環・呼吸状態が得られた。
手技時間は3群で差を認めず、患者満足度にも有意差はなかった。一方、術者満足度はTIVA群で最も高く、麻酔科医による鎮静の容易さはR群で最も良好であった。重篤有害事象は各群で少なく、有意差は認めなかった。
イベントの内訳では、P群では低酸素血症(85.7%)が主要因であり、多くの症例で気道介入を要した。一方、TIVA群では低血圧(66.7%)が最も多く、昇圧薬投与を要する症例が有意に多かった。R群では低酸素血症(14.0%)および低血圧(18.6%)のいずれも少なく、最も安定した循環・呼吸状態が得られた。
手技時間は3群で差を認めず、患者満足度にも有意差はなかった。一方、術者満足度はTIVA群で最も高く、麻酔科医による鎮静の容易さはR群で最も良好であった。重篤有害事象は各群で少なく、有意差は認めなかった。
会場での議論
P群は鎮痛に麻薬、R群はケタミンを使用しており、明らかにP群は呼吸の問題が出やすいプロトコルとなっている。せめて鎮痛はケタミンに統一するなどした方がよかったのではないか。
アウトカム設定が低血圧や低酸素血症ではあるが、早期介入をすれば事前に防げるようなイベントであると考えられ、予防できるような問題なら実臨床上大きな問題とはならないため、TIVA群で低血圧が多いことも積極的に介入されていないため評価困難。
本研究では評価されていないが、昨今のアブレーション研究では手技の成功率をアウトカムにすることが多く、全身麻酔の方が不整脈の再発率が低いとのデータもある。本研究だけを以て、レミマゾラム+ケタミンの深鎮静に優位性があるとは言えないと思われる。
複雑なマッピングでは全身麻酔の方が良いのではという議論があったが、定義も難しく、事前に循環器内科医と相談して、麻酔方法を決めていくのがよいと思われる。
アウトカム設定が低血圧や低酸素血症ではあるが、早期介入をすれば事前に防げるようなイベントであると考えられ、予防できるような問題なら実臨床上大きな問題とはならないため、TIVA群で低血圧が多いことも積極的に介入されていないため評価困難。
本研究では評価されていないが、昨今のアブレーション研究では手技の成功率をアウトカムにすることが多く、全身麻酔の方が不整脈の再発率が低いとのデータもある。本研究だけを以て、レミマゾラム+ケタミンの深鎮静に優位性があるとは言えないと思われる。
複雑なマッピングでは全身麻酔の方が良いのではという議論があったが、定義も難しく、事前に循環器内科医と相談して、麻酔方法を決めていくのがよいと思われる。