快挙!当科で実施した臨床研究が麻酔科学分野の国際トップジャーナル Anesthesia & Analgesia に掲載されました!
学術活動
論文
Effect of Pericapsular Nerve Group Block on Prehabilitation in Femoral Neck Fractures: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial
リンク:https://doi.org/10.1213/ANE.0000000000008147
臨床疑問
PENGブロックは、大腿骨頸部骨折患者における術前リハビリテーションを促進するのか?
研究背景
高齢者の大腿骨頸部骨折では、手術まで数日待機することが少なくありません。この待機期間中は、疼痛による活動性低下から筋力やADLが急速に低下してしまうことが知られています。
近年、この待機期間を有効活用する「術前リハビリテーション(Prehabilitation)」が注目されています。しかし、骨折部の疼痛が強いため、十分なリハビリテーションを実施できない患者さんも少なくありません。
PENG(Pericapsular Nerve Group)ブロックは、股関節前方の感覚神経を選択的にブロックし、運動機能をできるだけ温存したまま鎮痛を得られる可能性がある新しい区域麻酔法です。本研究では、「PENGブロックによって術前リハビリテーションが促進されるか」を検証しました。
近年、この待機期間を有効活用する「術前リハビリテーション(Prehabilitation)」が注目されています。しかし、骨折部の疼痛が強いため、十分なリハビリテーションを実施できない患者さんも少なくありません。
PENG(Pericapsular Nerve Group)ブロックは、股関節前方の感覚神経を選択的にブロックし、運動機能をできるだけ温存したまま鎮痛を得られる可能性がある新しい区域麻酔法です。本研究では、「PENGブロックによって術前リハビリテーションが促進されるか」を検証しました。
研究方法
亀田総合病院で実施した前向きランダム化二重盲検プラセボ対照試験です。
対象患者を
・PENGブロック群
・プラセボ群
の2群に無作為に割り付け、ブロック後に標準化された術前リハビリテーションを実施しました。
主要評価項目は、初回リハビリテーションで予定されたプログラムを最後まで完遂できた割合でした。
対象患者を
・PENGブロック群
・プラセボ群
の2群に無作為に割り付け、ブロック後に標準化された術前リハビリテーションを実施しました。
主要評価項目は、初回リハビリテーションで予定されたプログラムを最後まで完遂できた割合でした。
主な結果
今回の研究では、
・術前リハビリテーション完遂率には有意差を認めませんでした。
・一方で、運動時痛はPENGブロック群で有意に軽減しました。
・また、術後24時間以内のレスキュー鎮痛薬使用率も低下しました。
・重篤な合併症やブロック関連有害事象は認めませんでした。
つまり、PENGブロックは疼痛を軽減する効果は示したものの、それだけでは術前リハビリテーションの完遂率向上にはつながりませんでした。
・術前リハビリテーション完遂率には有意差を認めませんでした。
・一方で、運動時痛はPENGブロック群で有意に軽減しました。
・また、術後24時間以内のレスキュー鎮痛薬使用率も低下しました。
・重篤な合併症やブロック関連有害事象は認めませんでした。
つまり、PENGブロックは疼痛を軽減する効果は示したものの、それだけでは術前リハビリテーションの完遂率向上にはつながりませんでした。
研究の意義
臨床研究では、「有意差が出た研究」だけでなく、「期待した効果が得られなかった研究」も非常に重要です。
PENGブロックは近年急速に普及している区域麻酔ですが、その適応や実際の臨床的有用性については、まだ十分なエビデンスが蓄積されているとは言えません。
本研究は、
・PENGブロックによる鎮痛効果
・術前リハビリテーションへの影響
・ランダム化比較試験による高いエビデンス
を示した研究として、今後の股関節骨折診療や周術期リハビリテーションを考える上で重要な知見になると考えています。
PENGブロックは近年急速に普及している区域麻酔ですが、その適応や実際の臨床的有用性については、まだ十分なエビデンスが蓄積されているとは言えません。
本研究は、
・PENGブロックによる鎮痛効果
・術前リハビリテーションへの影響
・ランダム化比較試験による高いエビデンス
を示した研究として、今後の股関節骨折診療や周術期リハビリテーションを考える上で重要な知見になると考えています。
おわりに
本研究は、当科に所属していた後期研修医の金先生が、上級医の指導のもと、リサーチアイデアの立案からIRB申請、パイロット研究の実施、研究コーディネート、患者リクルート、統計解析、論文執筆、そして国際誌への投稿まで、一連の研究プロセスを主体的に遂行しました。金先生にとって初めて取り組んだランダム化比較試験でありながら、後期研修1年目に研究プロジェクトを立ち上げ、研修終了直後に麻酔科学分野を代表する国際誌A&Aへの論文掲載に至りました。この成果は、研究に携わったメンバーにとって大きな励みであるとともに、当科としても大変喜ばしい出来事となりました。
亀田麻酔科では、ランダム化比較試験や後ろ向き観察研究をはじめ、多数の臨床研究プロジェクトを進めています。定期的なリサーチミーティングでは活発な議論を行い、新しい研究アイデアが次々と形になっています。臨床だけでなく研究にも力を入れたい方にとって、挑戦できる環境が整っています。研究に興味のある方は、ぜひ一度見学にいらっしゃってください。
本研究は、多くの患者さんにご協力いただき、リハビリテーション科、整形外科、病棟スタッフ、臨床研究センターなど、多職種の皆様のご支援により実施することができました。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
今後も亀田麻酔科は、患者さんにより良い周術期医療を提供するため、質の高い臨床研究に取り組んでまいります。
亀田麻酔科では、ランダム化比較試験や後ろ向き観察研究をはじめ、多数の臨床研究プロジェクトを進めています。定期的なリサーチミーティングでは活発な議論を行い、新しい研究アイデアが次々と形になっています。臨床だけでなく研究にも力を入れたい方にとって、挑戦できる環境が整っています。研究に興味のある方は、ぜひ一度見学にいらっしゃってください。
本研究は、多くの患者さんにご協力いただき、リハビリテーション科、整形外科、病棟スタッフ、臨床研究センターなど、多職種の皆様のご支援により実施することができました。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
今後も亀田麻酔科は、患者さんにより良い周術期医療を提供するため、質の高い臨床研究に取り組んでまいります。