NEJM:高リスクPCIにおける予防的Impella使用は臨床転帰を改善しなかった ― CHIP-BCIS3試験
勉強会
2026.07.09 麻酔科抄読会サマリー
Perera D, Ryan M, et al.
Left Ventricular Unloading in High-Risk Percutaneous Coronary Intervention.
N Engl J Med. 2026;394:1779-1789.
DOI:10.1056/NEJMoa2515704
Perera D, Ryan M, et al.
Left Ventricular Unloading in High-Risk Percutaneous Coronary Intervention.
N Engl J Med. 2026;394:1779-1789.
DOI:10.1056/NEJMoa2515704
目的
重度左室機能低下を伴う高リスクPCIにおいて、microaxial flow pump(Impella)による予防的左室アンロードが主要有害心血管イベントを減少させるかを検証した。
PICO
P:LVEF≤35%(または重度MR合併で≤45%)かつ複雑PCI予定患者300例
I:Impella CPによる予防的左室アンロード
C:通常PCI(予定された補助循環なし)
O:主要評価項目:死亡、脳卒中、自然発症MI、心血管入院、周術期心筋障害からなる階層型複合エンドポイント(win ratio)
I:Impella CPによる予防的左室アンロード
C:通常PCI(予定された補助循環なし)
O:主要評価項目:死亡、脳卒中、自然発症MI、心血管入院、周術期心筋障害からなる階層型複合エンドポイント(win ratio)
方法
英国21施設で実施された多施設非盲検RCT。300例を1:1に無作為割付し、中央値22か月追跡した。主要解析はwin ratioを用いた階層型複合エンドポイント解析であった。
結果
主要評価項目ではImpella群36.6%、標準治療群43.0%が勝ちとなり、win ratioは0.85(95%CI 0.63–1.15、P=0.30)で有意差を認めなかった。全死亡は32.6% vs 23.4%(HR 1.54、95%CI 0.99–2.41)、心血管死亡は26.7% vs 14.5%(HR 1.91、95%CI 1.11–3.30)とImpella群で多かった。一方、自然発症心筋梗塞、心血管入院、脳卒中、出血や血管合併症には明らかな群間差を認めなかった。
会場での議論
・IMPELLAを留置してからどれぐらいでPCIを行うのか?
→手技を行う前にIMPELLAを留置。複雑性病変も一期的にPCIを行うことができる。
・IMPELLAは全身麻酔で留置するのか?
→局麻で行うことが多い
・麻酔科は何を管理しているのか?
→循環管理を行い、循環器内科医は手技に集中してもらう
・door to バルーンtimeのような時間管理に影響している?
→緊急PCIではないため、そういったタイトな時間管理は行っていない。
・IMPELLAで血圧を保っているために気づかなかった心筋障害や、通常ならば手技を途中で中断するような状況をIMPELLAがマスクしていた可能性があるのでは?
→本症例はIMPELLAを留置することで循環を安定させ、手技を完遂することが目的なため可能性はあるかもしれない。
・有害事象の出血が10%とそれなりに多いが、非出血群のさらなる解析はあったのか?
→なし。
・IMPELLAの補助はどれぐらい?
→可能な限りの補助。
・循環動態の安定化とは?
→おそらく血圧およびHRだろう。
→手技を行う前にIMPELLAを留置。複雑性病変も一期的にPCIを行うことができる。
・IMPELLAは全身麻酔で留置するのか?
→局麻で行うことが多い
・麻酔科は何を管理しているのか?
→循環管理を行い、循環器内科医は手技に集中してもらう
・door to バルーンtimeのような時間管理に影響している?
→緊急PCIではないため、そういったタイトな時間管理は行っていない。
・IMPELLAで血圧を保っているために気づかなかった心筋障害や、通常ならば手技を途中で中断するような状況をIMPELLAがマスクしていた可能性があるのでは?
→本症例はIMPELLAを留置することで循環を安定させ、手技を完遂することが目的なため可能性はあるかもしれない。
・有害事象の出血が10%とそれなりに多いが、非出血群のさらなる解析はあったのか?
→なし。
・IMPELLAの補助はどれぐらい?
→可能な限りの補助。
・循環動態の安定化とは?
→おそらく血圧およびHRだろう。