Anesthesia & Analgesia誌:GLP-1受容体作動薬使用患者では術前胃内容残存が多く、休薬7.5日未満・固形物絶食21時間未満がリスク因子
勉強会
2026.06.04 麻酔科抄読会サマリー
Pai SL, Nimma SR, Beam WB, et al.
Assessment of Gastric Content Using Gastric Ultrasound in Patients on Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonists Before Anesthesia.
Anesth Analg. 2026;142:640–649.
Pai SL, Nimma SR, Beam WB, et al.
Assessment of Gastric Content Using Gastric Ultrasound in Patients on Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonists Before Anesthesia.
Anesth Analg. 2026;142:640–649.
目的
GLP-1受容体作動薬(GLP-1 RA)は胃排出を遅延させることが知られており、術前絶食後でも胃内容物が残存して誤嚥リスクが増加する可能性がある。
本研究は、GLP-1 RA使用患者において、術前胃エコーで評価した残存胃内容物(Residual Gastric Content: RGC)と関連する術前因子を検討した。
本研究は、GLP-1 RA使用患者において、術前胃エコーで評価した残存胃内容物(Residual Gastric Content: RGC)と関連する術前因子を検討した。
PICO
P(対象):GLP-1受容体作動薬を使用し、麻酔下手術を受ける成人患者316例
I(介入):術前胃エコー(Gastric Ultrasound)による胃内容評価
C(比較):High RGC群 vs Low RGC群
O(主要評価項目):High residual gastric content
I(介入):術前胃エコー(Gastric Ultrasound)による胃内容評価
C(比較):High RGC群 vs Low RGC群
O(主要評価項目):High residual gastric content
結果
316例中113例(35.8%)にHigh RGC(固形物残存または胃液量 ≥1.5 mL/kg)を認めた。
週1回注射製剤使用患者では、High RGC群の休薬期間は6日(IQR 3–9日)、Low RGC群では8日(IQR 5–10日)であり、有意差を認めた(p=0.003)。
ROC解析では、High RGC増加のカットオフは休薬期間7.5日(感度63%、特異度56%)、固形物絶食時間21.3時間(感度86%、特異度47%)であった。
多変量解析では、GLP-1休薬期間延長(OR 0.91/日, 95%CI 0.86–0.97)および固形物絶食時間延長(OR 0.93/時間, 95%CI 0.91–0.96)がHigh RGC減少と関連した。
High RGC患者の93.8%でRSIが選択され、4例で手術中止、1例で延期となった。誤嚥は認めなかった。
週1回注射製剤使用患者では、High RGC群の休薬期間は6日(IQR 3–9日)、Low RGC群では8日(IQR 5–10日)であり、有意差を認めた(p=0.003)。
ROC解析では、High RGC増加のカットオフは休薬期間7.5日(感度63%、特異度56%)、固形物絶食時間21.3時間(感度86%、特異度47%)であった。
多変量解析では、GLP-1休薬期間延長(OR 0.91/日, 95%CI 0.86–0.97)および固形物絶食時間延長(OR 0.93/時間, 95%CI 0.91–0.96)がHigh RGC減少と関連した。
High RGC患者の93.8%でRSIが選択され、4例で手術中止、1例で延期となった。誤嚥は認めなかった。
会場での議論
Q:民族差はあるか?
A:メイヨーでの単施設研究のため言及なし
Q:今回の研究で導入日時や増量時期を検討しているか?
A:今回の研究では有意差なし
Q:術前食の流動食の導入はどうだろうか?
A:欧米ではピザやハンバーガーなどオイリーなものを食べる人が多いため日本人とは異なる部分がありそう。胃内容物も大事だが、噴門部括約筋がしっかり働いているかどうかを問診する必要あり。(頭を上げておかないと、就寝中に胃液が上がってくる)
Q:オピオイド内服患者を外した患者群やGLP-1非使用患者vs使用患者での解析はないのか?
A:言及なし。そもそも胃エコーの画像を保存できておらず、exclusionされていることも影響しているかもしれない。
Q:21時間の絶食はかなり長い
A:前日入院が必要そう
Q:最近は24時間前から無脂肪の液体食が推奨されているが、全世界的にはどうでしょう?
A:調べる余地あり。新規製剤のためデータ集計が追い付いていない可能性も高そう。
A:メイヨーでの単施設研究のため言及なし
Q:今回の研究で導入日時や増量時期を検討しているか?
A:今回の研究では有意差なし
Q:術前食の流動食の導入はどうだろうか?
A:欧米ではピザやハンバーガーなどオイリーなものを食べる人が多いため日本人とは異なる部分がありそう。胃内容物も大事だが、噴門部括約筋がしっかり働いているかどうかを問診する必要あり。(頭を上げておかないと、就寝中に胃液が上がってくる)
Q:オピオイド内服患者を外した患者群やGLP-1非使用患者vs使用患者での解析はないのか?
A:言及なし。そもそも胃エコーの画像を保存できておらず、exclusionされていることも影響しているかもしれない。
Q:21時間の絶食はかなり長い
A:前日入院が必要そう
Q:最近は24時間前から無脂肪の液体食が推奨されているが、全世界的にはどうでしょう?
A:調べる余地あり。新規製剤のためデータ集計が追い付いていない可能性も高そう。