新着記事

BMC Anesthesiology誌:高齢患者ではEEGガイド下麻酔が術後認知機能障害を減らす可能性 ― 系統的レビュー・メタ解析

勉強会
2026.03.19 麻酔科抄読会サマリー


Yin Q, Chen D, Gu C.

Effect of intraoperative electroencephalogram-guided anesthesia on postoperative cognitive function in elderly patients: a systematic review, meta-analysis, and trial sequential analysis of randomized controlled trials.
BMC Anesthesiology. 2025;25:423.

目的

高齢手術患者において、術中EEGガイド下麻酔が術後認知機能障害(POCD)を減らすかどうかは一定の結論に至っていない。本研究は、EEGガイド下麻酔がPOCD発症率および術後の認知機能スコアに与える影響を、ランダム化比較試験の系統的レビューとメタ解析で評価した。

PICO

P:65歳以上の高齢手術患者を対象としたRCT 10件、計4,367例
I:術中EEGガイド下麻酔(主にBISモニタリング)
C:通常管理による麻酔
O:
主要評価項目:POCD発症率
副次評価項目:急性期・亜急性期・慢性期の認知機能スコア、言語流暢性、遅延再生など

結果

主要評価項目:POCD発症率
9試験、4,163例の統合解析で、EEGガイド下麻酔はPOCDを有意に減少させた。
pooled OR 0.78(95% CI 0.69–0.90, P<0.001, I²=0.0%)

Trial sequential analysisでは必要情報量(3,437例)に到達し、有効性境界を超えており、結果の頑健性が支持された。

認知機能スコア
・亜急性期(1~3か月)では、言語流暢性 WMD 1.2(95% CI 0.3–2.1, P=0.009)
・遅延再生 WMD 0.8(95% CI 0.1–1.5, P=0.03)
・一方で、長期的な全般認知機能スコアには有意差を認めなかった

サブグループでは、非心臓手術で一貫した有益性が示された一方、心臓手術のデータは限定的であった。

会場での議論

手術による侵襲や出血、血行動態の変化など複合的な要因によって術後の認知機能低下が生じるので、必ずしも全麻から(静脈麻酔)脊麻に変えても低下を避けることは難しい。あくまで麻酔薬による影響の部分のみの評価。

麻酔科医としては過度な鎮静を避けるようにする。