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Anesthesia & Analgesia誌:Remimazolam麻酔では覚醒遅延に特有のEEGパターンが存在する:Propofolとの比較研究

勉強会
2026.03.12 麻酔科抄読会サマリー

Lee Y, et al.
Electroencephalogram Correlates of Delayed Emergence After Remimazolam-Induced Anesthesia Compared to Propofol. Anesth Analg. 2025 Apr 25. DOI:10.1213/ANE.0000000000007516

目的

Remimazolamはpropofolと同じGABA-A受容体を介する麻酔薬であるが、覚醒遅延が報告されている。
本研究は、麻酔から覚醒する過程のEEG変化を解析し、remimazolam特有の覚醒遅延の神経生理学的特徴を明らかにすることを目的とした。

PICO

P 腹腔鏡下胆嚢摘出術患者 48例
I Remimazolam + remifentanil
C Propofol + remifentanil
主要評価
EEGパワー解析
機能的結合(PLE, PLI)

臨床アウトカム PACU PSI, Aldrete 9までの時間

結果

1 EEGパワー
覚醒時にtheta power ↑ alpha power ↑

2 機能的結合
Remimazolam群では alpha帯PLE ↓ beta帯PLE ↓
→ 前頭葉ネットワークの多様性が低下。
がremimazolam群で高値。

3 覚醒指標
remimazolam群 PSI低値
Aldrete 9まで 約17.5分遅延
Propofol群より覚醒が遅い。

4 EEGと覚醒の相関
覚醒遅延はalpha帯 PLE, alpha帯 PLIと強く相関(特にPLEαとAldrete9到達時間) r = −0.78

会場での議論

・レミマゾラム群では開眼・抜管後、Adrete score 9 以上になるまでの時間が長いという結果だが、覚醒遅延の定義が開眼からの時間であることに注意が必要。PACUで脳波のConnectivityの異常があると強調されているが、同時にα波のパワーの異常なども残存している。レミマゾラム特有の脳波パターンという指摘だが、単純に効果部位濃度が下がりきっておらず、残存しているとも言える。フルマゼニルを用いて拮抗することで脳波が正常化するなどが見られるとより面白い。

・麻酔薬によって作用機序が異なり、それにより脳波のパターンが違うのは以前より指摘されており、術中PSIを基準に麻酔深度の調整をしているが、それを同じ麻酔深度というのはやはりフェアじゃない。入眠からの効果部位濃度シミュレーションから揃えるなどの方法もあるかもしれない。