日常生活で気をつけること

骨盤底を守るには、以下のことを気をつけることが大切です。

1.過度の腹圧をかけない。

  • 重い物を持たない。(3〜5kg以上のものは控える)
    (例)・買いものなどは小分けして、買い物あたりの荷物を減らす。キャリーバッグなどを使用する。
       ・濡れた洗濯物を持って階段を登るときなどは、一回の運ぶ量を減らす。
       ・やむをえず重たい物を持つときは、骨盤底筋を締めてから持ち上げる
  • 草抜きなど、長時間のしゃがみ姿勢は避ける。
  • ガードルやコルセットなどの慢性的な使用は避ける。(※骨折など急性期の治療で必要な場合を除く)
  • 体幹トレーニングなど、腹圧の上昇を伴う運動は、腹圧負荷に注意する。

※骨盤底機能不全のない方:腹圧がかかる運動をする際は骨盤底筋を先に締めた状態から行いましょう。
※骨盤底機能不全がある方:過度の腹圧によって骨盤底が押し下げられ、尿漏れや骨盤臓器脱の症状が悪化することがあります。症状が悪化した場合は腹圧のかかる運動は中止して、骨盤底筋をまず鍛えましょう。無理な腹圧負荷や自己流での誤った運動は症状を悪化することがあります。症状のある方は理学療法士などの専門家の指導の下でトレーニングを受けることをお勧めします。

2.骨盤底筋群を鍛える。

  • 骨盤底筋群の低下は、尿漏れや骨盤底臓器脱の原因となります。骨盤底筋に限らず、筋力は加齢と共に徐々に低下していきます。そのため、運動をして筋肉を「貯筋(ちょきん)」していくことはとても大切です。しかし、いくら「貯筋」していても、使われない筋力はどんどん衰えてしまいます。たとえば、3ヶ月運動をがんばったとしても、その後に運動をやめてしまえば、せっかく貯めた「貯筋」はどんどん減っていきます。筋肉を落とさないためにも、継続的な骨盤底筋体操は大切です。続けることは大変ですが、意識をして継続していく努力をしましょう。
  • また、せっかく続けていても「誤った方法」で骨盤底筋体操をやってしまうと効果が出ないばかりか、逆効果になることもあります。正しい運動方法はこちらを参考にしてみて下さい。また、当センターでは理学療法士による骨盤底リハビリ指導も行っておりますので、直接指導を受けることも可能です。詳しくはこちらをご覧下さい。

3.肥満の改善

  • 肥満は尿漏れや骨盤臓器脱を悪化させる要因となります。ウォーキングなどの有酸素運動や食生活を見直し、減量を図りましょう。
  • 体脂肪を減らす有酸素運動は、息が軽くはずむくらいの「ややきつい」程度の強度で、20分以上を目標に行いましょう。また、日常生活の中では積極的に体を動かして、1日の消費エネルギーを増やすことが大切です。エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を利用したり、乗り物を使わないで歩いて移動するなど、日々積み重ねていきましょう。
  • 臓器脱や尿漏れが進行すると、活動量が減少し、日常生活での代謝量も減って、悪循環となってしまいます。また、筋肉量が減ると基礎代謝量も減ってしまい、太りやすくなってしまいます。骨盤底筋体操や下肢の筋力をつける運動も併せて行うことが大切です。
  • 膝痛や腰痛などがある場合は、水中ウォーキングや自転車エルゴメーターなどが関節に負担がかかりにくい有酸素運動を選びましょう。


4.便秘の改善

  • 便秘による「いきみ」は骨盤底に負担をかけます。便秘をしにくい腸内環境を整えましょう。

尿漏れ・頻尿については、以下のことも気をつけることが大切です。

  1. 水分を取りすぎない。(目安:1日800〜1000ml程度)
  2. アルコール、カフェイン類(コーヒーやお茶など)、刺激の強いものを控える。
  3. 下半身を冷やさないようにする。
  4. 排尿日誌をつけて、自分のおしっこの傾向を把握する。
  5. (尿漏れがある場合)外出時は早めにトイレに行くようにする。
  6. (頻尿の場合)強い尿意を感じたら骨盤底筋を締めて、少し我慢してみる。

亀田メディカルセンター ウロギネ・女性排尿機能センター

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受診案内

このサイトの監修者
亀田総合病院 ウロギネ・女性排尿機能センター センター長 野村 昌良
【専門分野】ウロギネ(泌尿器科と婦人科の中間にあたる分野:骨盤臓器脱、尿失禁)、排尿障害(間質性膀胱炎、過活動膀胱など)