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Slovenia Ljubijana大学からの報告です。外科的治療を行った、脱臼骨折を伴う重症脊髄損傷 (AIS grade A-C) 64症例を対象に、受傷から手術までの時間 (hours) 、術前の脊髄圧迫の程度 (spinal cord compression=SCC; %)と術後神経症状の回復に関して検討した報告です。受傷後4-9時間以内の手術例が術後回復が良かったが、SCCが高度な症例では回復は劣ると結論しています。
Fig. 1を見ると>=2 AISの症例の多くは受傷後10時間以内の手術例です。
Fig. 4ではSCCの程度別にAIS回復の可能性を計算しています。SCC 20%では受傷後10時間でも回復の可能性はありますが、SCC 60-80% では受傷後早期に手術を行っても回復の可能性は極めて低いことを示しています。

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脊椎脊髄外科 久保田 基夫

このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療