ちょっとためになる話22:頚椎椎間板ヘルニア1

 以前腰椎椎間板ヘルニアの話をしました。ちょっとだけ、おさらいをしておきましょう。
 椎間板は外側を取り巻く線維輪(せんいりん)と軟らかな髄核(ずいかく)でできていて、衝撃を吸収するクッションの役割をしています、そして、このクッションカバー(線維輪)が破れて、中の髄核が飛び出したのが「椎間板ヘルニア」でしたね。
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 今回は「頚椎椎間板ヘルニア」の話をしましょう。どんな症状が出て、どんな治療が必要なんでしょうか、よ〜く聞いてくださいね。

頚椎椎間板ヘルニアの症状

post49_2.jpg 介護の仕事をされているというNさん、仕事の後寝違えたような首の痛みを自覚、その後右手に激痛が走るようになり、近くの病院を受診、そこでは鎮痛剤で様子を見てくださいといわれたそうです。ところが、症状が良くならないばかりか、最近箸が使いにくくなり、足が突っ張って歩くのも困難になってしまいました。ご主人に支えられるようにして、脊椎脊髄外科のオープン外来(予約外外来)を受診されました。
 右手にビリビリしたいやな痛みがあり、右上肢の筋力は低下、握力は6kg、 10秒テストも7回しかできません。足の腱反射は著明に亢進していました。技師さんにお願いして、すぐにMRIをとってもらいました。大きな椎間板ヘルニアが脊髄を圧迫していました。

 いつ手術をしたら良いでしょうか?
 -今でしょ!
 古すぎて逆に新鮮ですね!!
 脊髄や神経はいったん障害されると回復が難しくなってしまいます。麻痺が進行している場合には、できるだけ早期に手術をして、脊髄の圧迫を取り除いてあげる必要があります。

このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療