ちょっとためになる話12:骨粗鬆症と圧迫骨折1

今回から「骨粗鬆症と椎体圧迫骨折」のお話をします。
- 「コツソショウショウ?なんか、舌をかみそうですね。どんな病気なんですか?」

骨粗鬆症について

骨粗鬆症とは簡単にいうと「骨がもろくなった結果,骨折のリスクが高くなった状態(1991年、骨粗鬆症コンセンサス会議)」です。レントゲンで骨密度を測定することができますが、骨密度が若い人と比較して(「YAM値 (ヤムチ:young adult meanの略です)」と呼んでいます、キムチではありません)70%以下に低下した場合を「骨粗鬆症」と定義しています。日本では50歳以上女性の24%(681万人)、男性の4%(96万人)が骨粗鬆症に罹患していると推定されています。

椎体圧迫骨折

骨粗鬆症があると、尻もちをついたとか重たいものを持ったとか、普通は何でも無い動作や軽微な外傷でも背骨がつぶれてしまうことがあります。これを「椎体圧迫骨折」と呼んでいます。わが国では70歳代の25%、80歳代の43%に圧迫骨折が認められると報告されています。厄介なことに一つの骨が圧迫骨折を来たすと、その上下の椎体も連鎖反応的に骨折する傾向があります。骨折による高度な腰痛だけでは無く、背骨の変形や姿勢の異常、さらにそれに伴う消化器系や呼吸器系の障害の原因にもなります。軽微な外傷の後、寝返りも打てないほどの腰痛が続く場合には「圧迫骨折」を疑って早めに医療機関を受診してください。骨折の急性期ではレントゲンだけでは診断がつかないことがあります。是非MRIを撮影してもらってください。


お知らせ

 脊椎脊髄外科では、「骨粗鬆症・圧迫骨折外来」を開設し、専門的加療を行っております。今は比較的予約が取りやすい状況ですので、ご心配な方は一度受診を御願いいたします。
詳しくはこちら → 骨粗鬆症・圧迫骨折外来

このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療