第163回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会 三沢部長が座長を務め、田中医師が発表

『第163回日本呼吸器内視鏡学会関東支部会』が2017年12月2日(土曜)に土田敬明会長(国立がん研究センター中央病院・内視鏡科医長)により京王プラザホテル(東京・新宿)で開催されました。三沢昌史部長が『気道狭窄・外傷』セッションの座長を担当し、同セッションで当科・田中悠医師が口演発表(指導;大槻歩医師・三沢昌史部長)を行いました。

本稿は田中悠医師の発表についてご報告します。

田中悠医師は『慢性咳嗽があり、気管支の鋳型状粘液栓に対して、気管支鏡の吸引にて回収できた1例』という演題名で発表し、「亜区域枝レベルの鋳型状粘液栓に対して、把持鉗子・高周波スネア・送気・気道拡張バルーンカテーテルなど複数の気道処置具を使用後、最終的に大径チャネル(3.0mm)を有するビデオスコープを用いた吸引により閉塞が解除できました。亜区域支レベルの鋳型状粘液栓を除去した報告は文献上なく、今症例が初めての報告である」と述べました。

会場からは、「好酸球性炎症や喘息の関与はありましたか」という質問があり、「病理所見では鋳型状粘液栓内は好酸球やCharcot-Leyden結晶を多数認めましたが、アスペルギルス等の真菌は認めず、ABPA(M)を示唆する所見は認めませんでした。現在、全身性ステロイド投与は行わずICS(吸入ステロイド)で加療中であり、コントロールは良好です」と返答しました。

田中悠医師は、「初めての呼吸器内視鏡学会の参加で緊張しました。他施設の発表を聴いていると細かい点で明日からの気管支鏡手技に取り入れたいと思う点もあり、定期的に出席してup dateしていくことの必要性を感じました」と感想を述べました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患