免疫不全患者におけるCOVID19ワクチンの有効性:システマティックレビューとメタ解析

免疫不全患者におけるCOVID19ワクチンの有効性に関するメタ解析がJournal of infectionにパブリッシュされています。
健常者、安定した慢性疾患を持つ人よりは劣りますが、免疫不全患者で、70%のワクチン有効性を認めています。
ただし、有効性の解析に含まれた研究が、4個のみでいずれも観察研究であることが、研究の限界となっており、解釈には注意が必要です。

Short-term effectiveness of COVID-19 vaccines in immunocompromised patients: A systematic literature review and meta-analysis
J Infect. 2022 Jan 1

  • 我々は、免疫不全患者におけるCOVID-19ワクチンの短期的な有効性を評価することを目的とした。
  • COVID-19ワクチンの抗体反応を評価した20個の研究と、ワクチン有効性を評価した4個の研究がメタ解析に含まれた。
  • 免疫不全患者における症候性COVID-19感染のプールされた診断オッズ比(DOR)は0.296(95%CI:0.108-0.811)、推定されたワクチン有効性は70.4%(95%CI:18.9-89.2)であった。
  • 診断名で層別化すると、IgG抗体値について、コントロール群(健常者と安定した慢性疾患患者)は免疫不全患者とで比較して、高いオッズ比を認め、固形臓器移植(プールされたオッズ比(pOR) 232.3; 95% Cl: 66.98-806.03)、悪性疾患(pOR 42.0, 95% Cl: 11.68-151.03) および炎症性リウマチ疾患(pOR 19.06; 95% Cl: 5.00-72.62 )であった。
  • COVID-19 mRNAワクチンは、免疫不全患者の症候性COVID-19に対して有効であったが、コントロール群と比較して有効性は低いことがわかった。

このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患