第95回日本感染症学会学術講演会のAccepted paper sessionで中島部長が講演

第95回日本感染症学会学術講演会のAccepted paper session(2021年5月8日)で、亀田総合病院呼吸器内科の中島部長が、講演を行いました。

中島部長は、「肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの臨床研究:日常臨床から論文化を目指して」という演題を発表し、下記の結論を述べました。

「忙しい臨床の合間で研究デザインを考え、助成を獲得し、2015年に23価肺炎球菌ワクチン(PPSV23)と4価インフルエンザワクチンの同時接種と逐次接種を比較するランダム化比較試験を行った。病院内の他部門への協力要請,海外研究機関とのやり取り、症例登録など、ランダム化比較試験の厳しさを経験したが、2018年に論文化に至った(Hum Vaccin Immunother. 2018;14(8):1923-1930.) 。アクセプトまでの道のりは大変だったが、出版を契機に2019 年1月から国際誌(Human Vaccines & Immunotherapeutics)の Associate Editor を務めることになった。また、本論文は、CDCの「ワクチンによる季節性インフルエンザの予防と対策:ACIPの勧告」にも2019/2020シーズン版から引用された。

英語論文については、まず良きメンターを見つけることが重要である。最初は症例報告からチャレンジして、「症例報告→後ろ向き観察研究→前向き研究」と段階的に難易度を上げることで、挫折をせずに臨床研究を続けていくことができる。臨床研究は、様々な経験と出会いの積み重ねで「点と点をつないでいくことで」達成できる。」

会場からは、「介入研究なので倫理審査など大変だったと思われるがいかがでしたか?」と質問があり、中島部長は、「経験ある共同研究者と一緒に質の高い研究デザインを考えることで対応した」と返答しました。

本講演が、忙しい臨床の合間で臨床研究に取り組む臨床医の参考になれば幸いです。

中島部長は、「ハイブリッド形式の講演で、多くの優れた講演を聞くことができ、大変勉強になった」と学会の感想を述べていました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患