第58回日本呼吸器学会学術講演会 その2 城下医師と中島医師の発表

第58回日本呼吸器学会学術講演会(4月21日〜4月23日)が大阪国際会議場で開催されました。今回、当科からは6演題を発表し、青島と三沢が座長を担当しました。本講では、城下医師と中島医師の発表を報告します。

城下は、「肺MAC症の臨床像と予後:単施設後ろ向き観察研究」を発表し、「標準量(600mg-800mg/日)のクラリスロマイシン使用群は低用量(600mg以下)のクラリスロマシン使用群よりも死亡率が低下する傾向がある。」という結論を述べました。

城下は、「クラリスロマイシンの標準量を600-800mg/日とするのは疑問があるという会場からの意見も頂けて、勉強になりました」と感想を述べました。

中島は、「市中肺炎におけるβラクタム+マクロライド併用治療とβラクタム単剤治療の予後比較:多施設レジストリーを用いた傾向スコア解析」を発表し、「APSG-J登録患者3470例においてCAP2273例を認め、1760例がβラクタム+マクロライド併用(233例)もしくはβラクタム単剤(1527例)で治療された。傾向スコア解析によりそれぞれ220例の患者群をマッチした。院内死亡はそれぞれ3.18%と2.72%であり、その差は0.45% (95%信頼区間 ー2.72, 3.63%)であった。本研究では市中肺炎におけるβラクタム+マクロライド併用群とβラクタム単剤群の死亡率に差は認めなかった」と結論を述べました。

中島は学会の感想として、「多くのエキスパートから、自分の研究に対する客観的な意見を聞くことができ、とても勉強になりました。」と述べました。

*亀田総合病院 呼吸器内科は、医師 6年目〜10年目のスタッフ2名を募集しております。
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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患