ガイドシース併用超音波内視鏡による経気管支針穿刺(GS-TBNA)

当科の高井基央が、2013年に国立がん研究センター中央病院内視鏡科で3ヶ月の短期研修をした際に「ガイドシース併用超音波内視鏡による経気管支針穿刺(TBNA through a GS with radial EBUS:GS-TBNA)」についての臨床研究をさせて頂きました。

研究内容は、2014年度のヨーロッパ呼吸器学会総会で発表予定であり、すでに論文が「Annals of Thoracic and Cardiovascular Surgery」にアクセプトされています。

Takai M, Izumo T, Chavez C, Tsuchida T, Sasada S. Transbronchial needle aspiration through a guide sheath with endobronchial ultrasonography (GS-TBNA) for peripheral pulmonary lesions.
Ann Thorac Cardiovasc Surg. 2014;20(1):19-25.


GS-TBNAは国立がん研究センター中央病院内視鏡科で発案された検査手法です。

「腫瘍内への経路がなくガイドシースが腫瘍内に留置されないケース(outside)で、針により腫瘍へのルートを掘っていくことで、最終的に腫瘍内にガイドシースを留置し(within)、診断を得る手技」です。通常outsideのケースではwithinと比較し診断率が低下することが知られており、それを解消する手技と考えられています。

当科でも、withinが出づらいと想定されるケースや、肺膿瘍など空洞性病変で内容液の培養を提出したいケースでGS-TBNAを行い、臨床で役立てています。


デバイスは、オリンパス社の1T260もしくはLF-TP気管支鏡、K203ガイドシースキット、NA-1C-1穿刺針を用います。

K203ガイドシースは、穿刺針との長さを合わせるために、近位より30mmのところでカットして使用します(図1)。

gstbna.png

これにより、図2のようにガイドシース先端に、針の外筒が合うようになります。

gsbdna1.jpg

図3のように、EBUS-GSの最初のアプローチで「outside(もしくはadjacent to)」のケースでも、GS-TBNAによりルートを掘って行くことで、最終的に「whithin」を出すことができます。

gsbdna1.jpg

EBUS-GSの診断率を向上させる画期的な手技だと思います。

このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患