Asia Pneumococcal Disease Conference 2015 に参加!

2015年5月30日〜31日に、福岡で開催されたAsia Pneumococcal Disease Conference 2015に青島主任部長と中島医師が参加しました。

Asia Pneumococcal Disease Conferenceは、年に1回開催されているワクチンに関するアジア地域の国際研究会です。

約半数は、アジア領域を主体とする海外の医師が参加しており、講演は全て英語で行われ、Pneumococcal conjugate vaccine (PCV)13を中心とした内容でした。

30日は朝から夕まで4セッション、31日は午前に2セッションで、各セッション毎に、アジア地域を代表する研究者4名前後が講演されました。


日本からの講演者の一人として、亀田総合病院も参加した多施設共同研究 Adult Pneumonia Study Group Japan (APSG-J)の結果を、長崎大学熱帯医学研究所 森本浩之輔先生が発表されました。

森本先生は、「最初の1年間で1772例の肺炎患者(市中肺炎+医療介護関連肺炎)を解析することができた。喀痰培養と尿中抗原により、肺炎患者の19.5%に、肺炎球菌が検出された。過去の本邦の報告と比較すると、肺炎球菌の血清型の変化が起こっている。」と述べました。


また、米国のStephen Pelton医師は、「鼻咽頭への肺炎球菌の定着が、Pneumococcal diseaseの臨床的に最初のステップとなり、中耳炎に発展したり、肺炎を起こしたりする。PCV 13は、ワクチンがカバーする血清型の肺炎球菌の鼻咽頭への定着を減少させる効果がある。」と述べました。

鼻咽頭への肺炎球菌の定着に関しては、亀田総合病院 呼吸器内科でも、青島主任部長の発案のもと、昨年度、山脇医師が前向き研究を行っており(論文化予定)、研究の意義が高いことを再確認することができました。


PCV 13に関する最新の研究知見から、開発中の新しいワクチンの話まであり、とても勉強になる研究会でした。


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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患