第18回日本ワクチン学会で、中島医師が発表!
2014年12月6日〜7日に福岡県福岡市で行われた第18回日本ワクチン学会で、当科の中島が発表しました。
昨年度、厚生労働省科学研究補助金のもと亀田総合病院、呼吸器内科で行わせて頂いた「化学療法中の肺癌患者におけるインフルエンザワクチンの免疫原性に関する研究」の最終結果報告を行いました。
中島は、「前向きに登録した化学療法中の肺癌患者26例とCOPD患者26例において、インフルエンザワクチンを接種し、幾何平均抗体価、抗体保有、応対応答、抗体陽転を比較したが、多変量解析を行っても、両群において有意な差は認めなかった。」と報告しました。
つまり、化学療法中の肺癌患者においては、インフルエンザワクチンは、1回接種で十分な抗体価が得られるということが示唆されました。
会場からは、「化学療法中の肺癌のような病態でも、1回接種で十分な抗体価が得られることには驚きました。これはなぜなのでしょうか?」と質問がありました。
中島は、「血液疾患患者で行われる強度の強い化学療法と比較すると、肺癌患者で行われる化学療法は、免疫抑制作用は比較的軽いと考える。血液疾患患者ではインフルエンザワクチン1回接種では、十分な抗体価は得られにくいという報告があるけれども、我々が検討した肺癌患者では、十分な抗体価が得られたと考えられる。」と答えました。
シンポジウムでは、新規のワクチン開発や、ワクチンに関する疫学研究の方法論などの話があり、大変勉強になりました。
このサイトの監修者
亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓
【専門分野】
呼吸器疾患