便失禁に対する栄養指導の効果についての論文が掲載されました

便失禁診療ガイドラインにおいて栄養療法は推奨度が高いとされています。しかし具体的にどのように効果的な指導を行うのかはまだはっきり示されていません。
今回、便失禁に対する栄養指導の効果について、亀田京橋クリニックで栄養指導を担当する中野かおるが投稿した論文が医学雑誌Journal of the Anus, Rectum and Colonに掲載されました。

研究の内容は、便失禁患者61名に対して20分間の栄養指導を行い、その後1ヶ月指導内容を実践していただき指導前後での便失禁の程度や食物繊維摂取量、便失禁に起因するQOLなどを調査、比較検討を行っています。結果は栄養指導のみでも有意に便失禁の改善が見られ、58%の参加者は研究終了後も便失禁が十分に改善し、その他の治療を必要としませんでした。また指導前後での食物繊維摂取量に有意差は出ませんでした。
具体的な指導内容に興味のある方はぜひ論文をご覧ください。
July 30, 2020; doi: dx.doi.org/10.23922/jarc.2020-008
亀田京橋クリニックでは便失禁や便秘の方への栄養指導を行っています。ご希望の方は一度直腸肛門外来を受診していただき医師にご相談してください。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害