小倉美輪皮膚・排泄ケア認定看護師が直腸癌術後の排泄障害の現状と課題について発表しました

2020年2月に開催された第37回日本ストーマ排泄リハビリテーション学会において小倉美輪 皮膚・排泄ケア認定看護師が「当院における肛門温存術後の排便障害の現状と課題」として発表を行いました。


肛門近くに位置する直腸癌の手術では、近年では腹腔鏡下手術の導入などにより従来では肛門部を切除して人工肛門になっていたケースでも肛門を温存できることが多くなってきました。その反面、便を貯留する働きのある直腸がなくなること、術式によっては肛門括約筋の一部を切除することにより便失禁などの排便トラブル(低位前方切除後症候群Low anterior resection syndrome)で困る患者さんも多く見られるようになりました。小倉は当院でのデーターを提示して、括約筋間直腸切除術ISRの方が低位前方切除術LARに比べ排便機能障害の程度が大きく、術後に医師だけでなく、看護師、栄養士、理学療法士などの多業種による関わりが必要であり、外来指導などに対する保険制度の改正が求められると発表しました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害