当チームの特徴

医師、臨床検査技師、放射線技師、管理栄養士、理学療法士で構成されるチーム医療を行っています。直腸・肛門疾患の診療はもとより、各自がテーマをもって臨床研究を行っていることが特色です。外科的治療は世界標準の手術を行っています。肛門管超音波検査装置などの排便機能評価に必要な検査機器は全て装備しています。ハイブリッド手術室(室内に専用X線透視装置を設置)など最新の病院設備のもと診療を行うことができます。角田医師、高橋医師は日本大腸肛門病学会の指導医、評議委員であり、亀田総合病院は同学会の認定施設となっています。

外来診療

  1. 痔核、痔瘻、裂肛の三大肛門疾患の診療はもとより、便失禁、排便困難、肛門痛などの排便機能障害の診断と治療に力を入れています。

  2. 検査
    直腸・肛門の解剖および機能に関する検査が可能です。肛門超音波検査、会陰超音波検査、MRI検査、肛門内圧検査、排便造影検査、transit studyを行っています。

  3. バイオフィードバック
    便失禁や排便協調障害(アニスムス)、糞便排出不全などの機能性排便障害に対する、筋電図を用いたバイオフィードバックを行っています。

  4. 食事指導
    京橋クリニックでは便失禁や便秘、排便障害の方へ管理栄養士からの食事指導を行っています。

手術

  1. 痔核
    痔核切除術、ALTA療法、PPH法に加えて、痛みの少ない痔動脈結紮術を行っています。

  2. 痔瘻
    括約筋非温存術である瘻管切開・解放術に加えて、括約筋温存術である括約筋間瘻管結紮術を行っています。
    深部痔瘻に対して術前に肛門管軸に合わせて撮影したMRIにより膿瘍腔を的確に評価し、筋肉の損傷を少なくする手術を行っています。

  3. 裂肛
    内括約筋側方切開、sliding skin graftに加えて、内括約筋後方部分切開を行っています。

  4. 直腸脱・直腸重積・小腸瘤
    再発が少なく、術後の便秘がほとんどないLaparoscopic ventral rectopexyを積極的に行っています。直腸脱に対する経会陰手術としては、Delorme法を行っています。膀胱瘤や子宮脱併存例では、泌尿器科やウロギネ科と合同で同時手術を行います。

  5. 直腸瘤
    性機能障害のないTransanal anterior Delorme法を行っています。

  6. 便失禁
    括約筋形成術に加えて、仙骨神経刺激療法(SNM)を行っています。

  7. 分娩時会陰裂傷
    分娩時会陰裂傷3−4度の内外肛門括約筋の完全断裂で会陰部がほとんどない重度な症例に対して、形成外科と合同で肛門括約筋形成+会陰形成+Gluteal fold flap を行っています。

主な装置

2017/02/15 現在

  1. 超音波装置
    B&K medical社製 Flex Focus 800 2台(亀田クリニック、亀田京橋クリニック)
    プローブ: 8802 経会陰、2052 経肛門ラジアル型3D、
          8848 リニア型経肛門・経膣、
          8838 リニア3D 経肛門・経膣

  2. 肛門内圧測定器
    カテーテル:Unisensor社 UniTip Catheter
    測定装置: Medtronic社 POLYGRAF ID

  3. バイオフィードバック
    Thought Technology社 MyoTrac 3

現在進行中の研究テーマ

2017/02/15 現在

  1. 直腸脱に対するmodified laparoscopic ventral rectopexyの研究

  2. Laparoscopic ventral rectopexy術後排尿機能の研究

  3. 直腸瘤に対するTransanal anterior Delorme法術後の排便機能・性機能の研究

  4. 痔瘻に対する括約筋間瘻管結紮術後の排便機能に関する研究

  5. 裂肛に対する内括約筋後方部分切開の成績

  6. 分娩前後の骨盤底筋群の構造変化に関する研究

  7. 便失禁、排便協調障害に対するバイオフィードバックの成績

  8. 便失禁を有する直腸重積患者における体位の差による肛門内圧の研究

  9. 便失禁患者に対する栄養指導の効果に関する研究

  10. 温水洗浄便座の使用方法に関するアンケート調査

  11. 難治性排便障害患者に対する経肛門洗腸の有用性(多施設共同研究)

当チームで修練を積むメリット

  1. 肛門疾患・排便機能に対する世界的標準、そして最新の診断、検査や手術手技を習得できる。

  2. 日本大腸肛門病学会の専門医の取得が可能。

  3. 排便機能に関する新しい治療などの治験・臨床研究に参加できる可能性がある。

  4. 海外の学会や論文投稿への指導が受けられる。