総合内科1分レクチャー (12)PT/aPTTの延長とコモンな病態、凝固の豆知識
外科手術の出血リスク判定に最も重要なことは?:既往歴と家族歴(出血時間や凝固検査結果ではない)
PT/aPTT延長と相当する病態
延長 | ||
関わる凝固因子 | よく見る病態 | |
PTだけ | VII | ・ワルファリン治療 ・軽いDIC、肝不全の始まり |
PT/aPTT両方 | X,V, II,I X/V 複合体のことをProthrombinase complexと呼ぶ |
・DIC ・肝不全 ・ループスアンチコアグラント(variable) ・ワルファリン過量、ビタミンK欠乏 ・ヘパリン過量 ・アルガトロバン治療 ・DOAC治療(variable) |
aPTTだけ | VIII,IX, XI, XII, vWF | ・未分画ヘパリン治療 ・ループスアンチコアグラント |
赤はビタミンK依存因子 | Variable=一定しないこと |
- PT/aPTTの両方に反映しない凝固因子はXIII因子:欠乏すると出血する
- PT/aPTTの両方が延長しない出血の原因は:XIII因子欠乏(希少疾患)、血小板異常、線溶亢進
止血を司る因子は下記の4つ
- 血小板:血小板数と出血時間で判定(米国ではPFA-100という機器でスクリーニングする)
- 凝固因子・抗凝固因子:出血時間では判定できない、PT/aPTT、凝固因子アッセイで検査する
- 線溶系:フィブリノーゲン、FDP/d-dimer、SFMなどで測定
- 血管:検査はない
このサイトの監修者
亀田総合病院
腫瘍内科部長 大山 優
【専門分野】
がんの包括的医療、病状に応じた最善の治療の選択と実践