総合内科1分レクチャー (8)oligometastasisの概念
- 固形癌において、遠隔転移を伴う進行がん(いわゆるステージIV)では、原則一部の例外を除いて根治は不可能。治療の目的は延命と症状緩和です。楽になっていただき、長く生きてもらうことです。
- ステージIVでは、通常、全身の組織に行き渡る化学療法(抗がん剤)が治療の主体と成ります。「全身療法 systemic treatment」とも言います。
- しかし、近年、ステージIVでも、切除などの局所療法(local treatment)をする場合が増えています。
- これは、化学療法が発達し、ステージIVでも長期生存する症例があるためです。全身に広がったがんの内、治療中に悪化してくる病巣だけ切除するなどです(oligometastatic disease)。そうすることで長期生存や中には治癒する場合もあります。
- 全身に広がったがんが、全体的に悪化している場合には局所療法は適応になりません(wide-spread disease)。引き続き全身療法(化学療法)が適応になります。
- 一見ステージIVに進行してしまった進行がん症例でも、中には結構よくなる症例もあるのです。
- ところで、それでもPS(performance status)は大事!
このサイトの監修者
亀田総合病院
腫瘍内科部長 大山 優
【専門分野】
がんの包括的医療、病状に応じた最善の治療の選択と実践