第14回日本臨床腫瘍学会学術集会で齋藤亜由美医師が「当院における二ボルマブ使用例の効果と有害事象」について報告しました

第14回日本臨床腫瘍学会学術集会(神戸 2016年7月28日〜30日)で齋藤亜由美医師が下記を発表しました。


第14回日本臨床腫瘍学会学術集会

2016年7月28日〜30日 神戸国際会議場/神戸国際展示場

当院における二ボルマブ使用例の効果と有害事象

齋藤 亜由美、原田 陽平、小山 隆文、三浦 大典、久松 春佳、藤本 祐未、
長谷川 晶子、長谷川 依子、平松 綾子、藤澤 孝夫、大山 優
亀田総合病院 腫瘍内科

【背景】

二ボルマブ(免疫チェックポイント阻害薬)は殺細胞薬と異なる有害事象があり、診断とマネジメントに注意を要する。

【対象と方法】

2014年9月〜2016年1月まで当院で二ボルマブしようした悪性黒色腫患者7名中5サイクル以上施行している6例。二ボルマブ使用中の有害事象の種類、程度、出現時期、マネジメントと抗腫瘍効果について後方視的に検討した。

【結果】

男性2、女性4、年齢中央値74(46-83)、原発巣は皮膚2、粘膜5。BRAF遺伝子変異あり1、なし4,不明1名であった。投与サイクル数は中央値8(5-14)、治療効果(irRC)はPR1名、SD2名、PD2名、不明1名であった。有害事象は下痢2例(投与開始〜発症までの期間26日、36日)、肝機能障害3例(6日、13日、54日)、甲状腺機能異常3例(11日、13日、28日)・劇症型1型糖尿病1例(121日)、ワクチン副反応増悪を1例認めた。他因果関係は不明だが統合失調症様症状の出現を認めた。対症療法、投与延期・経口ベクロメサゾンなどで軽快し、いずれも再投与可能であった。1型糖尿病のみ未回復で固定したがインスリン治療で安定している。

【考察】

当院で経験した有害事象はこれまでの報告と比較して投与早期に認められる傾向にあった。今後の使用経験の中で新規の有害事象とそのマネジメント、時期・程度・リスク因子についてさらなる症例の蓄積と検討を要する。

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亀田総合病院 腫瘍内科
齋藤 亜由美

このサイトの監修者

亀田総合病院
腫瘍内科部長 大山 優

【専門分野】
がんの包括的医療、病状に応じた最善の治療の選択と実践