はじめての(理論的な)カリキュラム開発

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教育

キーワード

医学教育、Kern's 6-step approach、アウトカム基盤型教育

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専攻医3年目で秋田大学よりKFCTで長期研修中の渡部先生のポートフォリオ発表でした。今回は、2週間の学生実習のメンターの経験をまとめ、より学習者のためになるカリキュラム開発ができるようになりたいというモチベーションからの発表でした。

秋田に戻って家庭医療を広めていくために、教育は重要なテーマである。
今までは、当日に話ながら突貫工事!であったが、今回は事前に指導医と相談し、理論的枠組みを意識して臨んだ。特にKernの6段階アプローチをもとに、ニーズ評価、目標設定、教育方略、カリキュラム評価を事前にイメージし、書き出していたが・・・
振り返ってみると、カリキュラム作成において当初想定していた以上により細かなニーズ聴取とそれに基づく目標設定が必要であることに気付かされた。

全体では、参加者のこれまでの経験などから、プレアセスメントのコツとして、学習者の背景とモチベーションの把握が重要で、併せて学習者との教育者の関係性づくりのよい機会であること、また、学習者との共通言語づくりも大事であることが話し合われた。また、特に初学者を対象にする場合は、学習者の経験値を考慮した関わりが重要で、カリキュラムの中で得た経験を咀嚼する振り返りの場や枠組みを提供することも重要となることが挙げられた。さらに、形成的評価においては、目標の評価修正が重要で、学習経験を積むことで見えてくる課題を言語化し、カリキュラムの調整をしていくことも必要であると共有された。

指導医からの全体講評では、成人学習は個別性が高くなり、bestな方法は定まりにくいこと、またoutcome基盤型教育の肝として、方法論よりもoutcomeが出ることが重要であり、そのためにも双方納得した目標と評価方法の設定が重要であることが指摘された。

文責:河田(専攻医3年)

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学