疑義照会ゼロプロジェクト

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施設管理・運営

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疑義照会、Quality Improvement: QI、医療の質改善

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専攻医3年目・坂井先生の10個目となるラストポートフォリオは、門前薬局との連携を強化するための疑義照会ゼロプロジェクトについてでした。

日々の外来での疑義紹介は業務が中断され、また薬局も調剤ができなくて困り、また患者さんの待ち時間も長くなる現状がありました。地域での医療者の集まりで薬剤師と直接話すチャンスがあり、薬剤師からの医師への提案などはいいにくい現状があることがわかりました。疑義紹介をなくすためにどうしたらいいか、検討しQuality Improvement QI活動として開始しました。

薬剤師と医師でのチームを作り、疑義照会の改善を測定項目としてPDCAを回すことにしました。まず全国との比較を実施。具体的な原因分析の上、システムで改善できる問題、医師の個別の努力が必要な問題に分類し、疑義照会のフローなどについて定期的なカンファレンスの開催・相談を行い、今後月別の疑義紹介率を検討して行くこととしました。考察としてはQIの目的として、患者の安全性の担保、適時性もあり、患者中心であると考えQuality indicatorとしては、疑義紹介率を全般的指標にした。薬剤師の視点にたってみて、双方の改善点を感じたという内容でした。

ディスカッションではポートフォリオとしての施設管理・運営とQIはイコールなのか。課題解決のためのアイディア。医師の注意が必要な課題についてシステムからの改善が困難であり、どうしたらいいか、医師が多いため非常勤なども含めた周知の仕方。継続可能な形にするには、といった点が上がりました。連携としてSNSを活用する、不適切な疑義照会の判断として医局全体での検討を介するようにしていること、医師に浸透させるためには、場面や伝え方を変えて繰り返し言っていくといった方略について話し合われました。

岡田院長からは施設管理と運営、QIはイコールではなく施設管理・運営の方が扱いが広いこと、QIでは6つの目的を全部満たす必要はなく「今回は安全性についてQIをやる」などと明確にするとよいということ。頻回・低コストで測定可能なものを指標としPDCAを頻回に回すことが重要であると言った話がありました。

文献:
公益社団法人日本薬剤師会委託事業 平成27年度全国薬局 疑義照会調査報告書
https://www.nichiyaku.or.jp/assets/uploads/activities/gigihokoku.pdf

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学