ゲームとはさみは使いよう!?

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コミュニケーション

キーワード

ゲーム障害 依存症 発達障害


タイトル「ゲームとはさみは使いよう!?」

【発表内容】
外来通院中の父よりお子さんの引きこもり相談。
ゲームを家でずっとやっている。
もともとコミュニケーションが苦手で過去に発達障害を疑われたことが過去にあった。
本人は現状としては困っていないが親がいなくなったあとの将来は不安に思っている。

icd11 ゲーム障害に当てはまると判断。
並存疾患は何らかの精神疾患45%、うつ病の次に発達障害が多い。
治療としては認知行動療法、ネット・ゲーム断ちは逆効果でその他の行動に徐々に昇華していくのがよい。

家族の理想と現実的なゴールを相談し身体的には特に問題なかったが歯科受診を継続する予定。

ゲームに熱中した発表者の過去もあったが、同じようなマイノリティからの共感やサポートが役にたつ可能性があると思った症例。
今後ゲーム障害治療のキャンプにスタッフとして参加する予定にしている。

【ディスカッション】
ゲーム依存症という診断を本人に伝えた上で治療に繋げるのはどうか、本人の納得がないと動けない、将来に不安なので何か変えたいのか、コミュニケーションが発生するゲームに参加してもらうか、本人の目標設定をどこにおくか、この患者さんがゲームでなくほかのものにハマっている人だったらどうか、発表者自身の行動が変わっていっているのがすばらしい

といった意見が出ました。

【岡田院長より】
医師としてよりピアとしての関わりができたのがこの症例では大きい。
みんな多かれ少なかれ小さいながらも依存やこだわりを持っているもので、その共感があれば関係づくりをすることができるだろう。
親の関わりが一種のエンエイブルメント(依存を助長するもの)になっているので長引いているということもあるだろう。
本人の困りごとから援助を行っていくのがうちでは基本になる。発達障害に関しては本人が困りごとが多い間は病名に言い訳になってしまうので本人に自分のよい特徴を認識できて良いと考えている。告知は本人が知ってしまったら取り消すことができないプロセスなのでそこは慎重になるほうがよい。
コミュニケーションのPFにするならばあと数件コミュニケーションに関する文献を入れたほうがよい。
自分がこの症例の何について深く考えて悩んで成長したかをもとにカテゴリを決めるのがよいだろう。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学