山木先生 7月ローテの振り返り

研修修了発表 『不燃』 モエズ

2017/11が前回ローテだった。
もともと家庭医に興味があったため、
やっと本格的に学べると楽しみだったことを覚えている。
当時は「継続性」がテーマ。
様々な継続性があると知り、離散的な物事を紡いで連続性をどう生み出せるかを考えたいと思った。

2018/7再びのローテ。
継続外来8ヶ月を経て。
家庭医、ジェネラリストが当たり前となった中での研修。
外来での新しい発見にときめく以上に、
その人に具体的にどう接するかを考えることが増え、
もやもやした思いがあった。
そのもやもやが少し晴れた事例が2つ。
継続性があったから始められた禁煙外来。
継続性があったから関われたアドバンスケアプランニング 。
継続性による新しい発見から、主治医としてのやりがいを感じた。
一方で、アセスメントの定まらなさから、
主治医として自ら舵をとる不安を感じた。

他にも学びを深める中で、
家庭医がなににでも親和性を示す点が魅力だと思った。

その中で近しい人との死別体験があった。
火葬場で煙突から登る煙をみて、自分が普段行なっている医療はなんのためなのか、
なにをしてもただ煙になるのだろうかと不毛な思いを持った。
逆説的に、なにか残るものに関わりたいと思った。
その人が生きた証を残すことができれば。
その人の最期に、自分が関わった意味が少しでも残せればと思った。

ローテは、将来を考える1ヶ月にもなった。
興味があるのは筋骨格系の機能やADLの向上、疼痛の緩和といった領域。
整形外科ローテ中、やはり手術は好きだと思った。
手術にあたるスタッフの一体感はかけがえがないと思った。
まず整形外科医になるが、「看取りまで対応できる整形外科医」になりたいというのが今の気持ち。
燃えずに残る人工物と、燃えずに残る故人の意志・生きた証、燃えずに残る自分の全人的医療への想いにかけて、タイトルを設定した。
整形という分野を通して、全人的にその人に関わりたい、と考えている。

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1ヶ月のローテでたくさんのことを学んでくれました。
これからも、いろんな場面での連携を期待しています。

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このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学