フェローシッププログラムとは

質の高い家庭医療を提供し続ける亀田家庭医で、さらに実力をつけたい方を対象にフェローシッププログラム(以下 フェロー)が提供されております。
学びの時間を確保した上で、さらなる向上を目指すことができます。

▼FDフェローシップ ▼プライマリ・ケア リサーチフェローシップ ▼プライマリ・ケアスポーツ医学フェローシップ


FDフェローシップ

プライマリケア領域で活躍する修了生を多く輩出するHANDS-FDFを主宰する岡田唯男から、On the jobで直接指導を受けられるフェローシッププログラムです。業務時間内に小グループでの学習時間を確保しており、亀田ならでは豊富な事例、高いqualityの中で、専攻医の指導や診療所運営を、強力なサポートを受けながら実践的に学べます。

<修了時に期待される獲得能力>

  • 総合診療領域の研修指導ができる
  • プロジェクトリーダーとして、プロジェクトを企画、運営、管理することができる
  • 継続的な自己研鑽と省察をして、専門医として成長し続けることができる

<求められる活動>

  • 初期研修医・専攻医ースタッフの橋渡し役として、クリニックの業務・運営に携わる
  • 地域に求められる総合診療医/家庭医として、臨床の実践
  • 総合診療/家庭医療に関心のある研修医・専攻医の教育
  • スペシャルインタレストを活かし、業務改善・教育に貢献する
  • 一つ以上の部門もしくはプロジェクトリーダーを担う

<期間>
1年間(当院の専攻医は、専攻医4年目に当フェローシップへ参画する)

<研修環境>

  • 総合診療医/家庭医を志す初期研修医・専攻医・フェロー・スタッフが多く所属しています。歴史ある家庭医診療所であり、家庭医の存在は地域に根ざしています
  • 月1回、FDフェロー全員が集い業務時間内で、「成人学習理論」「カリキュラム開発」「フィードバック」「Difficult learning encounter」「リーダーシップ&マネジメント」「キャリア開発」「プロジェクトマネジメント」「交渉術」「ファシリテーション」などの項目を学んでいきます
  • 参考図書・課題を開示し、必読書を各項目につき1つ以上設定する。(事前課題は修了したものとして当日ディスカッションを行う)
  • 総合診療専門医や新・家庭医療専門医の試験対策も行います

<実績>
FDフェローシップから生まれたプロジェクト(代表例)
●糖尿病網膜症の眼底スクリーニング率を上げるQIプロジェクト
糖尿病定期通院患者への眼科受診勧奨を院内多職種で関わったプロジェクト。北米プライマリケア研究会(North American Primary Care Research Group: NAPCRG)で発表
●LGBTQs アライプロジェクト 
院内勉強会でのアライメンバー育成。館山市男女共同参画委員(コーラル委員)としての行政書類における不必要な性別記載の中止など。→ 一般社団法人にじいろドクターズの活動として発展
●遺族ケアプロジェクト
大切な方を亡くした方のサポートプロジェクト。在宅看取り後の家族へのグリーフケア案内やチャプレンと協働する遺族ケア外来の立ち上げ

<ディレクターから一言>
岩間秀幸
私自身KFCTでのフェローシップ並びにHANDS-FDFのフェローシップを修了しました。日常的に専攻医指導、業務の運営を行う中で実践的にFaculty developmentを学べるプログラムです。専攻医の時代の成長も目覚ましいですが、FDフェローシップの1年はその成長をさらに超え、どこに行っても中核として働ける実力と自信を身につけることができます。あなたも専門医のその先のステップに一緒に進ませんか?

プライマリ・ケア リサーチフェローシップ

当院のプライマリ・ケアリサーチフェローシップは、家庭医として地域の最前線で働きながら、プライマリケア研究を自身が主体となって進められる医師の育成を行うことを目標に設立されたフェローシップです。

<修了時に期待される獲得能力>

  • プライマリ・ケア領域におけるエビデンスの発信を、臨床を主体とする現場において、自らが主体となって他者と連携しながら行うことができる。
  • 家庭医療/総合診療/関連領域の専攻医、初期研修医の学術活動(学会発表、研究、ジャーナルクラブ、ポートフォリオなど)の支援を行うことができる。
  • peer review学術誌に最低1本のアクセプト(日本語/英語)

<求められる活動>

  • プライマリ・ケアに即した研究テーマで、国内外の学術大会での発表、及び国内外雑誌にて論文投稿
  • 地域に求められる総合診療医/家庭医として、臨床の実践
  • 研究に関心のある研修医・専攻医の教育
  • プライマリ・ケア関連領域学術論文の批判的吟味及び査読
  • 当院及び当プログラムにおけるリサーチキャパシティ開発活動

<期間>
原則2年程度(経験や能力に応じて相談)

<研修環境>

  • 総合診療医/家庭医を志す初期研修医・専攻医・フェロー・スタッフが多く所属しています。歴史ある家庭医診療所であり、家庭医の存在は地域に根ざしています
  • リサーチフェローシップに関して理解ある職場です
  • 平日週2回、研究学習および研究の時間を確保できます
  • 大学院所属の有無は問いませんが、並行しての所属も可能です(応相談)
  • 国内外学会発表時には補助があります
  • 医療法人鉄蕉会 亀田総合病院から臨床研究のサポートが受けられます
  • 鉄蕉会亀田総合病院図書室・亀田医療技術専門学校図書室・亀田医療大学図書館の所蔵資料の閲覧ができ、資料取り寄せもできます。オンラインジャーナルの利用も可能です
  • 連携実績 千葉大学大学院予防医学センター(近藤克則教授)、横浜市立大学大学院ヘルスデータサイエンス専攻(金子惇講師)など
  • 国内トップクラスの家庭医育成プログラムにて診療を行うことで、家庭医/総合診療医として、臨床能力をさらに向上させる機会が得られます(診療日数は臨床経験に応じて増やすこともできます)

<指導体制>

  • フェローの手掛けたいリサーチテーマに基づいて研究が行えます
  • プライマリケア研究で注目されている質的研究の指導も受けることができます
  • 月に2回のリサーチカンファレンスにて、研究の進捗・相談が行われます
  • プライマリケアに関する最新のジャーナルを元に抄読会を行います

<実績>
学術論文へのリンク(ブログ)
https://www.kameda.com/pr/kfct/post_311.html

学会発表件数(実績)
https://www.kameda.com/pr/kfct/report.html

<研修修了者のコメント>
高橋亮太
プライマリケアに限らず臨床をしながら研究を実践することは、自分一人で続けることが難しいと感じることがあります。しかし、このリサーチフェロープログラムでは、挫けそうになるたびにチームでサポートしあえる環境があります。また、当プログラムの特徴としてプライマリケアに特化した研究テーマ選び、フェローである家庭医一人一人の関心領域(special interest)に沿ったオーダーメイドの研究テーマ選びを指導しています。プライマリケア研究を始めてみたいと思っている方は、ぜひ一度見学に来ていただき我々のプログラムを体感してみることをお勧めします。

プライマリ・ケアスポーツ医学フェローシップ

家庭医療/総合診療を基盤領域とする者が、スポーツ医学領域の能力を身に着け、国際的にプライマリケアとスポーツ医学領域に貢献できるための基礎力を身に着けることを目指します。

スポーツ医学は、スポーツや運動に関連する疾患や障害を扱います。筋骨格系の問題はもちろん、循環器・呼吸器系の問題、皮膚、メンタルヘルス、女性アスリートのケア、栄養やアンチ・ドーピングなど、幅広い領域を扱います。運動処方や運動のリスク評価も行います。スポーツ現場での活動も行います。趣味や部活動のレベルから高い競技レベルのアスリートまで、年齢層は小児から高齢者まて幅広い方を対象としています。

プライマリ・ケアスポーツ医学フェローシップは、家庭医療・総合診療の基礎を持つ方を対象とするフェローシップです。整形外科で一般整形、スポーツ整形の診療経験を積み、家庭医かつスポーツ医の指導医の元で運動処方やその他幅広い領域を学びます。院外のスポーツ現場での活動にも参加します。

<修了時に期待される獲得能力>

  • 筋骨格系の病歴と身体診察を適切に行い、適切な鑑別診断を挙げ、治療を推奨することができる。必要に応じて専門家へ紹介することができる。
  • 運動参加のリスクを理解し、対象者の年齢や身体活動度に応じた運動参加前診察を行い、運動参加の可否を判断できる。
  • 運動に関連して起こる疾患について理解し、診断・マネジメント・予防を実践することができる。
  • 健康に対する運動の効果を理解し、ヘルスプロモーションの観点で、個人や集団・地域へ運動・スポーツを推進する活動・コミュニケーションを実践できる。
  • 慢性疾患を持つ個人に対し、適切な運動処方ができる。
  • 競技大会やスポーツイベントに参加するアスリート、チームで活動するアスリートに対し、リスクを評価し、ケアを提供することができる。多職種との連携、組織としての対応を含む。

<求められる活動>

  • 一般整形外科、スポーツ整形外科での外来・病棟業務を行い、診療経験を積み重ねる
  • 総合スポーツ・運動処方外来を指導医と一緒に実施する
  • 院外でのスポーツ現場での医療活動の実践
  • スポーツ医学に関する論文や教科書で学び、スポーツ医学勉強会で定期的にアウトプットを行う(抄読会)
  • 家庭医・総合診療医としての業務を行い病院に貢献する
  • 総合診療専攻医への教育に携わる
  • 定期的な指導医との振り返りを行い、評価を受ける

<期間>
1年間

<研修環境>
以下の施設で研修と診療を行う。

  • 亀田総合病院 スポーツ医学科:外来診療。アスリートの受診割合が高く、エコーを積極的に使った診療を行う。リハビリ室、アスレチックトレーニングとの連携が密に行われている。
  • 安房地域医療センター 整形外科:一般整形の外来と病棟業務を行う。
  • 安房地域医療センター 総合診療科、亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科:家庭医・総合診療医としての業務を行う。総合診療医・家庭医のレジデンシーで仲間が多い環境である。

スポーツ現場活動の例。

  • 館山わかしおトライアスロン
  • 館山若潮マラソン
  • 東京マラソン
  • オルカ鴨川 マッチドクター(なでしこリーグ1部)

<実績>
亀田家庭医プログラムのメンバーがTOKYO2020の医療救護に参加した際の活動に関するレター論文
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jgf2.507
Hamai, A., Okada, T., Ukai, M., Yoshizawa, E., Kondo, K., Yamada, Y. and Kikuchi, M. (2022), Family physicians can contribute to Olympic and Paralympic Games or other sports events. J Gen Fam Med, 23: 135-136. https://doi.org/10.1002/jgf2.507

館山わかしおトライアスロン大会において実施した障害調査論文
https://www.rinspo.jp/journal/2020/files/31-1/68-75.pdf
トライアスロン競技大会において救護利用かつリタイアした選手のリスク因子
濱井 彩乃, 笠次 良爾, 岡田 唯男, 石井 なおみ, 蔵本 理枝子
日本臨床スポーツ医学会誌 31(1) 68-75 2023年1月

南山堂「治療」2020年5月号
診察室でも現場でも 実践! スポーツ医学
https://www.nanzando.com/magazine/detail/900205

<ディレクターから一言>
国内でプライマリ・ケアスポーツ医学フェローシップを持つ施設は少ないです。家庭医・総合診療医のスペシャルインタレスト領域として、スポーツ医学の領域で活躍できる医師を増やし、貢献していきたいと考えています。ぜひ一緒に学びましょう。お問い合わせ、見学、お待ちしています。
問い合わせ先:安房地域医療センター卒後研修担当: ishiken@awairyo.jp


*このほか、当院では在宅フェロー、マタニティフェローとして研修中または研修修了された者もおります。

募集対象者

  • 日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医、および新・家庭医療専門医の資格を持つ者あるいは取得する見込みの者
  • 日本専門医機構認定総合診療専門医の資格を取得する見込みの者
  • 臨床経験を5年以上有する見込みで、研修・勤務履歴や能力評価を通じて家庭医療専門研修を修了したレベルと同等と判断できる者

募集人数:それぞれのフェロープログラム 若干名
待遇・給与:医療法人鉄蕉会の規定に準じます

フェローの詳細な説明をご希望される方、見学をご希望される方の連絡は随時受け付けております。お問い合わせ下さい。

お問い合わせ先
家庭医診療科 見学問い合わせ(お気軽にメール下さい) 
E-mail: kateii.office●kameda.jp (医局秘書 諸岡)
※メール送信時に●印を@に置き換えてください