今月のローテーター紹介(3)(集中治療科(医師7年目):小林先生)

今月のローテーターインタビュー第3段です。集中治療科(医師7年目)の小林絵梨先生です。(おそらく?)日本最高レベルのICUで集中治療に従事されており、かつ、上司の専門が、感染症領域のため、重症感染症診療にはもともと精通していらっしゃったので、勉強していただく、というよりは、当科の診療を助けていただきました。ありがとうございます。
また、ローテートに関するご意見を頂きましたので、今後の改善につなげていけたらと思います。当科は、2チーム編成で、各チーム約40例程度の症例を担当しています(成田赤十字病院では、50名程度の入院患者さんを1チームで担当しています)。カンファレンスでdiscussionや情報共有はしているのですが、お互いのチームで勉強して、まとめたことや調べて資料の共有は、まだ不十分だと思います。今後、ご指摘いただたいことを改善していき、診療の質を向上させて、よりよい医療をできるように努力していきたいと考えております。

  • 学んだこと
    三途の川理論(重症患者さんの場合は、「合理的な臨床推論から想定される」菌を「ほとんど」カバーする経験的治療を行う。一方で、重症ではない患者さんの場合、想定される菌の「多く」をカバーする経験的治療を行う、つまり、一部の菌はカバーしなくてもよい、はずしてもよい、それで予後は悪化しないし、過剰なスペクトラムの抗菌薬を全例で使用していたら、耐性菌が増加してしまう。そもそも、各種ガイドラインで推奨されている経験的治療は、85-90%のカバー率があるものが推奨されているので、経験的治療は、100%をカバーする広域抗菌薬治療、という概念ではない)が印象的でした。患者さんの状態が悪いので、ICUでは少しでも早く抗菌薬投与が原則だったので、このローテートでは、いろいろな層の感染症をみることができてよかったです。

  • ローテートの感想
    ICUに戻って、また色々と疑問に思うことが出てくると思うので、来年もまたローテートしたいと思いました。

  • ローテート方法へのご意見
    他チームのメンバーが症例を通して勉強したことを、全体で共有できればよいと思いました。

このサイトの監修者

亀田総合病院
臨床検査科部長、感染症内科部長、地域感染症疫学・予防センター長  細川 直登

【専門分野】
総合内科:内科全般、感染症全般、熱のでる病気、微生物が原因になっておこる病気
感染症内科:微生物が原因となっておこる病気 渡航医学
臨床検査科:臨床検査学、臨床検査室のマネジメント
研修医教育