タントクセン病院@シンガポール その2

3月6日(水曜日)は、午前中は一般感染症病棟ラウンド(主科入院患者)、午後は、感染症コンサルテーションラウンドを見学しました。相変わらず英語は超絶に早いので、聞き取るのが大変です(カルテも読めないですし、患者の詳細を把握することは困難です)。ちなみに、主科入院担当チームと、コンサルテーションチームはまったく別です。

主科入院担当チームは、3名構成です。日本でいう指導医1名(consultant:C)、フェロー1名(registrar:R)、研修医(medical officer:MO,初期研修2年目から後期研修医くらいのレベル)です。基本的にmedical officerがカルテ記載やorderなどを行い、他の2人は一緒に診察・discussionをして方針を決めたり、説明したりするのが役割のようです。
新規入院は1名、もともと担当している患者が9名です。朝MOはプレラウンドをしているようです(ここは見学していません)。そのあと、RとMOでラウンドを開始します(主科入院担当チームはもう1チームあり、別のMOと、同じRとCが担当しています、つまりRとCは1人ずつ、MOが2人で各MOが10名ずつの患者を担当として、それをRとCが監督する、という形式です。もう1人のMOは、Cとラウンドを開始します)。MOがRにプレゼンテーションして、方針を決める、という流れです。適宜RがMOにfeedbackして、それが教育になっているようでした。診療スタイルは、米国と日本の中間、という印象です。新規患者は1名で、肺結核既往のある若年女性が慢性咳嗽で来院して、バイタルなど安定しているのですが、入院となったようでした。空気予防策の部屋をみることができました。結核の頻度がそれなりに高いようで、そのほかの患者でも、喀痰の抗酸菌塗抹・培養検査の閾値はかなり低く設定されていました。
その後継続入院している9名の患者さんをゆっくりラウンドしていきます。90分かけて、ラウンドしたところで、Cが合流しました。(MOではなくて)Rが、Cにプレゼンしていきます。新規患者と気になる患者は直接診察していましたが、ほとんどはプレゼンを聞いて、方針を承認して終了です。だいたい1時間かけていました。デング熱はcommon diseaseであり、4名いました。

午後はID consultation roundの見学でした。昼までのコンサルトをRegistrarが、前もって診察とカルテ記載をして、14:00過ぎからconsultantと一緒にラウンドする、という形式です。基本的に新規の患者のみ診察するのですが、だいたい5-10名とのことでした。1人で行うのは大変だなと思いますが、この日は2名で行っていました。Consultationがあった患者を毎日診察することはしていないようであり、一応カルテチェックはするとのことでした。今日は2時間かけて6名を診察して回りました。

複雑なケースもありましたが、半分は比較的シンプルなものでした。耐性菌が多い、ということ以外は、だいたい日本と同じ状況だと思います。Consultantによって異なるのでしょうが、そんなに身体所見には熱くはありませんでした。I臨床微生物の知識もふつうくらいのようでした。D consultation teamのconsultantもregistrarも毎日担当が変わります。その影響で、患者をあまり継続して診ないのかもしれません。

先日報告した、部屋がきれいで広い病棟というのは、新しくできたNational Centre for Infectious Diseaseという病院でして、今回初めて見学した(consultation teamはタントクセン病院本院の患者に対応しています)タントクセン病院本院の病棟は、結構古くて、4-6人部屋もありました。大部屋の1人分のスペースは日本よりやや広いくらいだったと思います。

院内の連絡は、すべて個人所有のスマートフォンです。Short Mailか電話で連絡を取り合っています。また、どの医師も、なにか調べるときはスマホでUpToDateを使用していました。日本と結構違います。外来中も、患者さんの前で、スマホを操作して調べものをすることもあります。

服装がかなり自由で、女性はいわゆるちょっとおしゃれな普段着で、ミニスカートOK、ワンピースの人も多いです。男性は、襟のついたシャツとふつうのパンツの人が多く、白衣を着ている医師はほとんどいません。若手医師の一部はスクラブを着ていました。

感想:ゆっくり時間をかけて診察して、discussionできる環境はうらやましいなと思いました。アジアの国にどんどん追い越されている状況を、日本は認識して、頑張らないといけないですね。一方で、シンガポールになくて、日本にはあるよいところも再認識しました。(熱い指導医がいればですが)身体所見やプレゼン、臨床微生物学は負けてないなと感じました。


Tag:,