亀田消化器内科のデータを使った論文が出ました。

Lactococcus lactis cholangitis and bacteremia identified by MALDI-TOF mass spectrometry: A case report and review of the literature on Lactococcus lactis infection

ラクトコッカス・ラクティスはその名前の由来の通り、生乳やチーズ、バターなどの発酵食品からよく検出される通性嫌気性の乳酸球菌です。ヒトではまれな原因菌でL.ラクチス感染の症例報告は非常に少ないです。今回消化器内科で胆管胆汁を採取した70歳の男性でL. lactis胆管炎を発症した胆管癌症例を感染症内科医が論文として報告しました。

胆管炎やその他の感染症の報告例を文献で検索した結果本症例を含めて36例が見つかりました。症例の少なくとも66.7%(n = 24)に重大な基礎疾患がありました。うち15例は免疫不全状態の患者であした。少なくとも41.7%(n = 15)が、非殺菌の乳製品消費歴を有していました。 L.ラクチスの感染は多様であり心内膜炎(n = 8)、肝胆道感染(n = 6)、中枢神経系感染(n = 5)、腹膜炎(n = 4)などがありました。ほとんどの症例で予後は良好でした。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器内科顧問 平田 信人

【専門分野】
胆石、胆道ガン、膵炎、膵ガンなどの胆膵の病気、消化器内視鏡全般、胆膵内視鏡