第42回日本超音波検査学会において北浦幸一技師が「IgG4関連疾患が疑われた肝炎症性偽腫瘍(IPT)の1例」について発表しました。

2017年6月17日第42回日本超音波検査学会において「超音波検査室」の北浦幸一技師が「IgG4関連疾患が疑われた肝炎症性偽腫瘍(IPT)の1例」について発表しました。IPTは肝切除例の0.7%を占めるとの報告もあり、肝臓の占拠性病変の鑑別診断の一つとして念頭に置くべき疾患概念です。USでは境界明瞭な低エコー腫瘤像でモザイクパターンを示すこともあります。CTでは単純で低吸収腫瘤、造影で遅延相で中心部が低吸収、辺縁がリング状濃染を示します。MRIではT1WIで低信号、T2WIで等〜高信号です。しかし、特異的な画像所見はありません。これは炎症の原因や時期において画像所見が多様化するためで診断を困難にしています。今回はHCCとの鑑別が問題になり肝部分切除術後の病理検査にてIPTと診断できました。

post_43.jpg

このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器内科顧問 平田 信人

【専門分野】
胆石、胆道ガン、膵炎、膵ガンなどの胆膵の病気、消化器内視鏡全般、胆膵内視鏡