くも膜下出血の予後

くも膜下出血を発症した場合、多くの方は救急車で脳神経外科のある病院に運ばれます。
意識状態が良く麻痺などない場合は速やかに再破裂予防の手術が行われます。
しかし残念ながら約30%の方は昏睡状態で入院されます。
このような重症例では既に脳の損傷が著しく、手術の適応にない場合が多いのです。
手術はあくまで再破裂を予防する目的で行われます。
たとえ手術が順調に行われても、重症例の方では傷んだ脳が元に戻ることがないためです。

一般的にくも膜下出血発症後1ヶ月以内に死亡される方は30%、元気に退院される方は60%で、残りの10%前後の方は高度な障害を後遺されます。
元の仕事に復帰される方は40%以下であると言われていますので、未だに恐ろしい病気であることに変わりはありません。


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※くも膜下出血は脳梗塞や脳出血に較べ発症早期の死亡率が高いのが特徴です。

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※くも膜下出血は余命を減少させますが、特に60歳以上では半分以下に著しく減少します。


発症する年齢によっても予後は大きく異なります。若い人がくも膜下出血となり、術後順調に経過した場合、その後の経過も特に問題ありません。
しかし高齢者、特に70才以上の方がくも膜下出血を発症した場合の予後は異なります。
歩行可能な状態で退院した場合でも、5年後自立して生活できる方は40%以下です。
くも膜下出血を発症する年齢によってその後の予後に大きな差が出てしまいます。


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※60歳以下ではくも膜下出血術後5年経っても80%の方が自立されております。


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※70歳以上ではくも膜下出血術後5年経つと自立している方は40%以下になり、半数以上の方は死亡または介助を要する状態です。高齢化はくも膜下出血の予後を悪化させます。


このサイトの監修者

亀田総合病院
脳神経外科主任部長 波出石 弘

【専門分野】
破裂および未破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術、脳血管の狭窄・閉塞病変に対するバイパス術、髄膜腫や聴神経腫瘍などに対する腫瘍摘出術、顔面痙攣や三叉神経痛に対する神経血管減圧術、脳動静脈奇形に対する摘出術、脳出血に対する血腫除去術