精神的動揺の強い方へのメンタルケアー

未破裂脳動脈瘤が発見された方のほとんどは精神的に動揺されて不安定になります。
不眠となったり、職場で仕事が手に着かなかったり、会議に集中できず人から注意されることも多くなったりします。
家族との関係もぎくしゃくし、酒量が増えたり睡眠薬が必要になったりと、それまでの生活に変調を来します。
外来で医師から説明を何度も受け、自分なりに納得しているつもりでも、突然破裂する恐怖感にかられることもあります。
経過観察中の不安感も強く、破裂する恐怖と手術した場合の合併症の出現に悩み始めるとますます眠られなくなる、と多くの方はおっしゃいます。
そもそも多くの方は自分に異常がないことを確認したくて検査を受けます。
親族や友人、職場の方など身近な方が脳卒中になったりすると、自分は脳卒中にだけはなりたくないという思いから検査を受けられるのですが、実際くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤が見つかるとは予想すらしていなかったというのが背景です。

受診者が多く待つ一般の脳神経外科外来では、残念ながらそのような方に時間をかけて対応することができません。
涙ぐまれたり体をふるわせて不安感を訴えられる方に、冷静な対応を考えるよう指導しても、おそらく説明したことの多くは記憶に残っていないと思われます。
我々は急いで治療法についての結論を出すような指導は行いません。時間をかけ、複数回にわたる受診を薦め、不安や疑問な点を一つずつ解決する方法を採ってきました。

当院では、心療内科・精神科部長の小石川医師を中心としたスタッフが、このような未破裂脳動脈瘤を有する方の精神状況を理解し協力していただけることとなりました。
心療内科的な治療により、皆さんが安心して治療を受けられる環境を作っていきたいと考えています。


このサイトの監修者

亀田総合病院
脳神経外科主任部長 波出石 弘

【専門分野】
破裂および未破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術、脳血管の狭窄・閉塞病変に対するバイパス術、髄膜腫や聴神経腫瘍などに対する腫瘍摘出術、顔面痙攣や三叉神経痛に対する神経血管減圧術、脳動静脈奇形に対する摘出術、脳出血に対する血腫除去術