不動寺センター長のERひとりでできるもん:第3話 Wound Management - ERでの処置の原則 -

KMC ERでの週に1回の不動寺センター長によるER Tipsレクチャーの模様です。
初期研修医やもっとERを学びたい後期研修医向けに一人でER当直を乗り切れることを目標としています。
このコラムを読んで、ER診療brush upの一助になれば 幸いです♪

※Tipsの一部を紹介

  • 創部の抜糸は約1週間と言われるが、強度が100%になるのは1年近くかかる
  • 止血はまずは圧迫、むやみにクランプしない(神経損傷を避けるため)
  • キシロカインの中毒量を知っておくこと(アナフィラキシー、中毒:意識障害、痙攣、心毒性)
  • 腱鞘内ブロックの麻酔範囲を知っておく 腹側側
  • 皮下、創部内はブラッシングや消毒しない
  • 汚染が高度、眼内洗浄などにはルート繋いでポンピングの要領でhigh pressure洗浄すると楽
  • フラップ創はフラップ側を小さく取り、対側を大きくとると綺麗に縫合できる
  • 口腔内はラフに縫合
  • 耳介軟骨は縫合しない
  • 動物咬傷は基本的には縫合しないが、大きな創は感染のリスクを考えながら縫合することもある、縫合する場合は上級医と相談
  • 抗生剤入り軟膏は創感染予防効果はない
  • ルーチンの抗生剤投与はいらない(汚染の程度強い、挫滅、動物咬傷、口腔内、開放骨折、関節や兼の露出、人工弁などIEのリスクがある場合)

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このサイトの監修者

亀田総合病院
救命救急センター センター長/救命救急科 部長 不動寺 純明

【専門分野】
救急医療、一般外科、外傷外科