不動寺センター長のERひとりでできるもん:第1話 胸痛 総論とACS
KMC ERでは今年から週に1回、不動寺センター長によるER Tipsレクチャーが開催されています。
初期研修医やもっとERを学びたい後期研修医向けに一人でER当直を乗り切れることを目標としています。
今後は他科レクチャーや症例提示なども開催予定です。
亀田救急の盛り上がり...熱いです。
※Tipsの一部
- まずは、胸痛のカード(鑑別)を作ろう
- 胸痛=5 killer chestとして同列に上げがち。病歴で検査前確率を見積もる癖をつけよ
- MIのTypeIIの意味を理解せよ
- 心筋梗塞の死亡率 25%だが14%は病院前死亡率 病院に到着できれば7-9% →病院前が非常に大事
- 非特異的胸痛をきたすDM、高齢、女性に注意
- ST上昇はJ点から1目盛後の部分でST上昇を評価する
- 新規か新規で出たと思われる左脚ブロックもACSを考慮
- 初回で診断できない、症状持続の場合は10-20分ごとに心電図とる
- II III avf上昇あれば、右誘導V4RV5Rもとる
- V1-4のST低下は後壁のSTEMIを考慮する
- 94%は酸素維持するように
- ミオコールは右室梗塞、バイアグラ内服に注意
- MONAでアスピリンが一番大切、バイアスピリン2-3Tを噛む
- ただし、MONAはもう古い
- PCIを予定している患者には当院はクロピドグレル300mg内服
- STが上昇していない場合の判断
TIMI=0かつ2時間のトロポニン陰性で見逃し2%, HEART=3かつ1時間のトロポニン陰性で見逃し0.3%。当院では3時間のトロポニン陰性を確認している。リスクスコアとトロポニンでリスクを評価できる。
このサイトの監修者
亀田総合病院
救命救急センター センター長/救命救急科 部長 不動寺 純明
【専門分野】
救急医療、一般外科、外傷外科