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坐骨神経痛に対するプレガバリン(リリカ®)の効果を検証する二重盲検RCT。これまで、神経因性疼痛に対するプレガバリンの投与に関して、質の高いエビデンスに乏しかった。

主要アウトカムである8週時点でのLeg pain intensity(10段階の疼痛尺度)の他、腰痛の強度やQOLスコア等、いずれに対しても有意差を認めなかった。一方で、めまいなどの有害事象が増えることが示唆されている。主観的なアウトカムが設定されており、10段階の疼痛尺度に対して、もともとの疼痛の強さにかかわらず1.5ポイントをもって臨床的に有意な差と設定する点には注意が必要だが、問題の性質上致し方ないだろう。

坐骨神経痛の治療にプレガバリンが投与されているケースは多い。本研究では、シンプルなデザインで坐骨神経痛に対するプレガバリンの有効性を否定しており、日常診療にも少なからぬインパクトを与える報告である。

Mathieson S et al. Trial of Pregabalin for Acute and Chronic Sciatica
N Engl J Med. 2017 Mar 23;376(12):1111-1120

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このサイトの監修者

亀田総合病院
救命救急センター センター長/救命救急科 部長 不動寺 純明

【専門分野】
救急医療、一般外科、外傷外科