2021.01.19 抄読会

担当:初期研修医 関根先生、劉先生

A Pilot Trial of Platelets Stored Cold versus at Room Temperature for Complex Cardiothoracic Surgery
Anesthesiolosy 2020; 133: 1173-83

人工心肺後に冷蔵保存の血小板を投与した際の出血量及び凝固機能について
常温保存の血小板と比較して、冷蔵保存の血小板でも術後の出血量と凝固機能に差はない。

血小板製剤は冷蔵保存することで凝固機能が落ちると1970年代から言われてきており常温保存が一般的ですが、長期保存を可能にするために冷蔵保存でも有効でないか調べた研究です。結果、ドレーンからの出血量及び凝固機能検査で差は出ず、冷蔵保存でも止血効果は十分だという結論でした。しかし実臨床でもよく遭遇することですが、TEG等の凝固機能検査上は問題ないと思われても、術野を見ると十分な止血能力がない時はあります。検査所見はあくまで参考に、実際はよく術野を見ながら、止血効果を検討する必要がありそうです。今回はまだpilot studyであり、さらなる研究が必要そうです。

関根先生、劉先生、お疲れ様でした!

亀田総合病院 麻酔科 寺尾 英梨奈

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亀田総合病院
麻酔科主任部長 小林 収

【専門分野】
麻酔、集中治療