合格体験記(1)J-RACE2022を振り返って

亀田総合病院麻酔科専攻医2年目の柳 俊文と申します。この度、日本区域麻酔検定試験(以下J-RACE)に合格いたしました。合格体験記の執筆のお話をいただきましたので、僭越ながら書かせていただきます。J-RACEの受験を検討されている方のお役に立てましたら幸いに存じます。

受験のきっかけは、当院の指導医による専攻医向けのレクチャーでしたが、短期的な目標を立てて机に向かう習慣を作ることも理由の1つでした。レクチャーを受けてすぐに問題集を購入し、2021年6月ごろから勉強を始めました。日々の業務をこなしながら、参考書を解き進めることは容易ではありませんでしたが、毎日10〜20問ずつ解くことを目標としました。時には気分が乗らず、勉強が手につかないこともありましたが、ともに受験する同期や先輩の存在が励みになり、問題集を3周することができました。また、ブロックの適応の症例を多く担当させていただき、"Study & Practice"のサイクルの中で楽しく学ぶことができました。

以下が使用した参考書です。

・岩崎 寛ほか(2015)『問題形式で学ぶ区域麻酔と疼痛治療』(真興交易医書出版部)
・Frank H. Netter, MD(2019) Atlas of Human Anatomy, ELSEVIER

特に解剖学の教科書を活用することで勉強の効率が上がりました。ありがたいことに当院では多くの書籍を電子書籍として閲覧できます。Netterの図を個人用端末にダウンロードし、それに書き込んで知識をまとめました。試験では、解剖の正確な知識が問われるため、得点源になると思います。

今回の受験のために、(1)エコーの原理、(2)区域麻酔薬やオピオイドの薬理、(3)解剖学的知識、(4)抗血小板薬・抗凝固薬の休薬と再開の時期について学ぶことができました。決してJ-RACEのためだけでなく、日々の臨床や2年後に控えた専門医試験にも繋がる知識であり、挑戦して得るものは大きかったと感じます。

最後になりますが、丁寧にブロックを指導してくださった先生方、そして最後まで問題を出し合った同期や先輩に厚く感謝申し上げます。

後期研修医 柳 俊文

このサイトの監修者

亀田総合病院
麻酔科主任部長 小林 収

【専門分野】
麻酔、集中治療