祝!出産!後期研修医による無痛分娩体験談

亀田総合病院麻酔科で後期研修医として切磋琢磨している藤井先生がこの度ご出産され、体験談を語っていただきました。
亀田総合病院では昨年度より無痛分娩に麻酔科医が24時間対応するシステムとなり、件数も増加の一途をたどっています。
多くの不安も抱えながらの妊娠・出産であったと愚考していたところ、とても快活な体験談を語っていただきましたので、是非、無痛分娩に踏み切れない方や今後の人生設計で自分のキャリアプランに悩んでる方はご一読いただければと思います!

後期研修医 荻野仁史


こんにちは。麻酔科専攻医3年目の藤井真理映と申します。

私は2021年5月に当院で出産し、現在育休中です。この度初めての妊娠・出産を亀田で経験させていただいたので、亀田麻酔科での妊娠、出産、育休について、また今回私が経験した無痛分娩についての体験を書かせていただこうと思います。

初めに妊娠がわかった時、喜びと同時に、今後体調のことで周りに迷惑をかけてしまうかもしれないことや、どのタイミングで上司に報告すべきか、また上司はどんな反応をするだろうか、など様々な不安が頭をよぎりました。しかし思い切って部長の杉山先生に報告した際、そんな心配を他所に開口一番「おめでとう!よかったじゃん!」と笑顔で言っていただき、とても安堵したことを覚えています。
妊娠の報告以降は、既に決まっていた分より先のオンコールは免除していただき、透視を使う手術の麻酔は外してもらう、体調の優れないときは麻酔を代わってもらうなど肉体的にも精神的にもかなりサポートいただき安心して過ごすことのできた妊婦生活でした。そのお陰で、母子ともに負担なく、無事にお産を迎えることができました。

私は麻酔科医の業務として日頃から硬膜外麻酔や無痛分娩に関わっていたので、患者さんと同じ立場で麻酔を経験したいという気持ちがあり、今回は迷わず無痛分娩を選択しました。結果的に申し上げると、私は無痛分娩を選択して本当に正解だったと思っています。

無痛分娩はお産の進行とそれに伴う痛みの緩和との間で、上手くバランスを取りながら行われますが、陣痛が発来してから早期の段階で、徐々に強くなっていく陣痛に耐えられる自信を失い、早々に産婦人科の先生に麻酔の使用をお願いさせていただく事となりました。
背中に挿入されているカテーテルから、麻酔薬がスーっと入っていく冷ややかな感覚が過ぎると、ほんの十数秒で腰が砕ける様な痛みが嘘のように和らいでいき、麻酔って何て素晴らしいのだろうと涙が出そうな気持ちに包まれました。また、無痛分娩が選択できる環境にいられたことを心の底から有難く感じ、今まで自分が硬膜外麻酔や無痛分娩という領域に携われてきた事を誇らしくも感じました。この一人の患者としての経験は、麻酔科医として仕事をしていく限りきっと忘れることはないと思います。

現在、娘は生後6ヶ月となりすくすくと大きく育ってくれています。専攻医の身でもあり産後は早めに復帰したい気持ちがありましたが、同じく亀田に勤務する夫の出向に着いていくこととなったため、産休育休合わせて約1年間お休みを頂くつもりです。(もし亀田麻酔科での研修を考えている方がいたら、妊娠出産・育休に関しては非常に手厚いサポートがあり心配なく安心して働くことができるということをお伝えしておきたいと思います。)
このようにしっかりと育休を取得できることも、亀田麻酔科の皆さんの温かいご理解と環境作りに努力してくださっている上司のお陰だと思っています。とてもいい職場に恵まれ、感謝しています。

妊娠・出産は女性にとっては大きなイベントで、仕事をしていく上ではブランクが生じマイナスと捉えられる側面もありますが、妊娠出産に関わる全ての人に感謝できた、人生における大変貴重な経験になったと感じています。これからは出産前の自分にはできなかったことを患者さんや周りの人に還元していきたいと思っています。
長くなりましたが、お読みいただき有難うございました。

藤井真理映

このサイトの監修者

亀田総合病院
麻酔科主任部長 小林 収

【専門分野】
麻酔、集中治療