普段みなさんが「排尿」について意識することはあまりないかと思います。年齢を重ね病気になったり、介護をするようになって初めて「排尿」について考えることになります。若くて元気な時期の「尿意を感じトイレに行って排尿する」といった当たり前の行動が思うようにできなくなることなどなかなか想像できないものです。
この「尿意を感じトイレに行って排尿する」という当たり前を詳しくみてみましょう。 |
「尿意」について
健康なみなさんが尿意を感じるときは尿が貯まった時です。この尿意は膀胱内に尿が貯まると膀胱から骨盤内の神経から脊髄を経由して脳へ情報が伝えられ尿意として感じる仕組みになっています。
膀胱、骨盤内の神経、脊髄、脳のどこかに問題が生じたときに尿意の異常が起こり得ます。
脊髄に障害起が起こった場合は、膀胱から脳への情報がうまく伝わらないことが尿意の異常の原因になります。逆に頻回に尿意を感じたり、尿意を感じると我慢できずトイレに駆け込んだり、我慢できず漏らしてしまうこともあります。
このようなことも膀胱、脊髄、脳などに障害があるときに起こり得ます。 |
「トイレに行く」
膀胱からの情報が脳へ伝達されたあと排尿をしますが、動物とは違いトイレまで行って便器内に排尿するのが人間たる部分だと思います。
このトイレに行くという行動は、健康な人の場合は歩行と衣服を脱ぐという動作になります。
脊髄の障害があると脳からの運動神経の伝達がうまく伝わらず、トイレへ移動や脱衣に時間がかかり間に合わず漏らしてしまうことが起こります。膝関節や股関節など下肢の運動機能に障害がある場合も同様の症状が起こり得ます。歩行や衣服を脱ぐ動作に異常がなくても、尿を我慢する命令がうまく伝わらないと我慢ができずもれてしまいます。 |
「排尿をする」
尿意を感じトイレに到着したあとで排尿することになりますが、気持ちよく排尿するとはどういう状態でしょうか。
勢いよく短時間で、残尿感なく排尿できることです。これは膀胱内に貯まった尿を効率よく排出することに他なりません。そのためには膀胱が効率よく収縮して、尿道が開いて尿が通りやすい状況を作らなければなりません。
脊髄や骨盤内の神経の影響、膀胱の筋肉の影響で膀胱の収縮力が弱かったり、尿道を絞める筋肉(括約筋)が開かなかったりすると尿の勢いが悪くなり、残尿が生じやすくなります。男性の場合は前立腺肥大なども影響することがあります。 |
「神経と排尿の関係」
さて、尿意を感じてトイレに行き排尿するという流れのなかで、神経が深く関わっていることがご理解いただけたでしょうか。
脊髄は脳と排尿に関する臓器とを連携させるために橋渡しのような重要な役割をしています。神経(脳や脊髄、骨盤内の神経)の障害により排尿の異常が生じたものを「神経因性膀胱」といいます。
脳や脊髄に病気や怪我が起こった場合、障害の発生した場所やその程度によって排尿に与える影響は様々です。そこで、どのような影響があるか排尿の状態を把握し、膀胱や括約筋などの機能の評価をします。 |
| 「排尿状態の評価」 |