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脊椎・脊髄の病気

脊髄の病気と排尿障害 2006/07/14

普段みなさんが「排尿」について意識することはあまりないかと思います。年齢を重ね病気になったり、介護をするようになって初めて「排尿」について考えることになります。若くて元気な時期の「尿意を感じトイレに行って排尿する」といった当たり前の行動が思うようにできなくなることなどなかなか想像できないものです。
この「尿意を感じトイレに行って排尿する」という当たり前を詳しくみてみましょう。
「尿意」について
健康なみなさんが尿意を感じるときは尿が貯まった時です。この尿意は膀胱内に尿が貯まると膀胱から骨盤内の神経から脊髄を経由して脳へ情報が伝えられ尿意として感じる仕組みになっています。
膀胱、骨盤内の神経、脊髄、脳のどこかに問題が生じたときに尿意の異常が起こり得ます。
脊髄に障害起が起こった場合は、膀胱から脳への情報がうまく伝わらないことが尿意の異常の原因になります。逆に頻回に尿意を感じたり、尿意を感じると我慢できずトイレに駆け込んだり、我慢できず漏らしてしまうこともあります。
このようなことも膀胱、脊髄、脳などに障害があるときに起こり得ます。
「トイレに行く」
膀胱からの情報が脳へ伝達されたあと排尿をしますが、動物とは違いトイレまで行って便器内に排尿するのが人間たる部分だと思います。
このトイレに行くという行動は、健康な人の場合は歩行と衣服を脱ぐという動作になります。
脊髄の障害があると脳からの運動神経の伝達がうまく伝わらず、トイレへ移動や脱衣に時間がかかり間に合わず漏らしてしまうことが起こります。膝関節や股関節など下肢の運動機能に障害がある場合も同様の症状が起こり得ます。歩行や衣服を脱ぐ動作に異常がなくても、尿を我慢する命令がうまく伝わらないと我慢ができずもれてしまいます。
「排尿をする」
 尿意を感じトイレに到着したあとで排尿することになりますが、気持ちよく排尿するとはどういう状態でしょうか。
勢いよく短時間で、残尿感なく排尿できることです。これは膀胱内に貯まった尿を効率よく排出することに他なりません。そのためには膀胱が効率よく収縮して、尿道が開いて尿が通りやすい状況を作らなければなりません。
脊髄や骨盤内の神経の影響、膀胱の筋肉の影響で膀胱の収縮力が弱かったり、尿道を絞める筋肉(括約筋)が開かなかったりすると尿の勢いが悪くなり、残尿が生じやすくなります。男性の場合は前立腺肥大なども影響することがあります。
「神経と排尿の関係」
 さて、尿意を感じてトイレに行き排尿するという流れのなかで、神経が深く関わっていることがご理解いただけたでしょうか。
脊髄は脳と排尿に関する臓器とを連携させるために橋渡しのような重要な役割をしています。神経(脳や脊髄、骨盤内の神経)の障害により排尿の異常が生じたものを「神経因性膀胱」といいます。
 脳や脊髄に病気や怪我が起こった場合、障害の発生した場所やその程度によって排尿に与える影響は様々です。そこで、どのような影響があるか排尿の状態を把握し、膀胱や括約筋などの機能の評価をします。
「排尿状態の評価」
排尿記録: 一日の排尿した時間、回数、一回の排尿量、失禁の有無、残尿感の有無、尿意切迫(尿意を感じたら我慢が難しい状態)の有無などを記録します。
尿流量検査: 一回の排尿を機械で記録します。尿の勢いや排尿にかかった時間などを測定します。
残尿測定: 排尿後に膀胱内に残っている尿量を超音波で測定します。これは残尿感の有無とは必ずしも関連しません。残尿感があっても残尿がなかったり、逆に残尿感がなくても残尿がたくさんあることがあります。
尿検査: 尿路感染の有無を確認します。
膀胱内圧検査: 膀胱内に水を注入し、膀胱内の圧力と膀胱内の注入された水の量の関係を測定します。膀胱の筋肉の収縮力や、膀胱の伸び縮みし易さ(コンプライアンス)、無抑制収縮、括約筋の筋電図なども測定します。
プレッシャー・フロー・
スタディー:
排尿時に、尿の勢いと膀胱内圧の関係を測定します。
ビデオ・ウロダイナミクス: レントゲン検査(膀胱造影)を行いながら、膀胱内圧検査やプレッシャー・フロー・スタディーを行います。
腹部超音波: 膀胱機能低下に伴い水腎症を併発することがあるので、腎臓を確認します。
尿路造影: 腎臓から膀胱までの尿の通り道(尿路)を造影します。
これ以外にもいくつかの検査がありますが、すべてを行うわけではなく、状態にあわせて検査を行います。
「治療」
脊髄の異常によって起こる排尿の異常は、脊髄の状態のみならず、年齢や活動度、膀胱や前立腺、尿道、括約筋の働きなどにより、状態が様々です。
まず、状態を把握して、必要な処置を施します。その上で重要視しなければならないことは、膀胱内の残尿を減らすこと、尿路感染を予防すること、膀胱内の圧力が高くならないようにすること、尿失禁を予防することです。
泌尿器科 太田智則
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脊椎脊髄外科診療内容
URL: http://www.kameda.com/medi_services/information.php?d=53
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