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息が切れるってどういうこと?

2019/4/15

息が切れるってどういうこと?

「いつもより息が切れる」「息がしづらい感覚がある」という症状で困っておられる方、また「最近、すこし階段をのぼっただけで息が切れるようになった」という方を拝見することがあります。息切れは病気なのでしょうか?

人間が運動をするとき、体はより多くの筋肉を瞬時に動かすためにエネルギーを必要とします。そこで呼吸によって酸素を取り入れ、その酸素を使って体内のブドウ糖などをエネルギーに変えています。激しい運動をするときほど酸素を多く必要とするため、呼吸が早くなって息切れを起こします。運動不足が背景にある場合、血液を送り出すための心臓の筋力が弱くなり、息切れを起こしやすくなります。また酸素濃度が薄い高い標高のところでは呼吸が速く深くなります。

年をとると軽い作業でも息切れすることはありますが、こうした症状が生理的な範囲内のものであるか、あるいは病的なものかを見分けることが大切です。症状の生じ方や感じ方には個人差はありますが、「最近、急に息切れの症状が悪化している」「今までは何ともなかったのに、ちょっと歩いたり動いたりしただけで息が続かなくなった」「体重が急に増えた(あるいは減った)」という方は病気の可能性が高くなります。こうした症状は心臓や肺などの病気が原因で血液中の酸素が不足して引き起こされている場合が多いとされています。

主には心臓または肺が原因

心臓が原因であれば、心不全による症状かもしれません。心臓は全身の各組織に血液を送るポンプの役割をしています。心不全ではこのポンプの機能がうまく働かず、全身の組織に送るべき血液が不足します。心臓を構成している筋肉(心筋)の病気や心臓の中にある弁の機能異常、あるいは虚血性心疾患や不整脈などの病気が背景にあることもあります。心不全の診断はレントゲン検査や採血検査で可能ですが、より詳細に評価するとすれば心エコーの検査や運動負荷試験の検査で原因を調べていくことになります。

一方で、肺が原因となる場合はどうでしょう。肺は血液の中に生きるために必要な酸素を取り込んでくれる臓器です。肺の病気のために血液の中にうまく酸素を取り込めず身体全体が酸素欠乏を起こしている場合があります。とくに喫煙歴のある方は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の可能性があり、呼吸機能検査や胸部CTなどの検査で診断をつけていくことになります。

心臓か肺が主な原因と書きましたが、貧血や甲状腺の病気でも息が切れることがあり、主に採血検査で判断することになります。息切れの表現によって下のように基礎疾患をだいたい予想することができます。

息切れの表現 基礎疾患
呼吸が速い(頻呼吸) ・肺線維症 ・COPD ・心不全
十分に息が吸えない(1回換気量増が制限) ・COPD ・神経筋疾患 ・肺線維症 ・気胸
息が十分に吐けない(呼出障害) ・COPD ・気管支喘息
呼吸に努力が必要(呼吸筋を収縮させる努力) ・COPD ・神経筋疾患 ・肺線維症 ・気胸
息が詰まる ・心不全
もっと空気が吸いたい(1回換気量増が制限) ・COPD ・心不全
あえぐ、ゼイゼイいう ・気管支喘息


また一般的には息切れの症状が急速に進めば進むほど、危険な病態の可能性が高くなると言って良いでしょう。表には挙げていませんが、心筋梗塞や肺血栓塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)も急速に息切れの症状が悪化する原因となり得ます。

いずれにせよ、息切れの症状が続くことは生活の質(QOL)が低下することに繋がります。亀田クリニックにはこれまで述べてきた疾患を調べる検査・診療が可能な環境が整っていますので症状がある方は一度受診されることをお勧めします。

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