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「骨粗しょう症のくすりの話」

2018/5/1

こんにちは。薬剤師の船木麻美と申します。

みなさん、最近骨が脆(もろ)くなってきたと感じることはありますか?骨粗しょう症という病気は、病院などで骨密度を測って「骨密度が低い」と指摘されたとき、または骨折して初めて自覚する方が多いのではないでしょうか?

どうしてお薬が必要なの?

骨粗しょう症は骨折するまで自覚症状がほとんどありません。したがって、骨粗しょう症のお薬は、痛み止めのお薬と違って、飲んだらすぐにお薬の効果が実感できるものではありません。そのため、骨粗しょう症のお薬を処方されても、きちんと飲み続けることができず、5年以内に止めてしまう人が半分くらいいるのです。

でも、お薬を止めてしまうと、骨はだんだんと脆くなっていき、ちょっとしたことで折れやすくなってしまいます。高齢になってから骨折すると、寝たきりとなってしまう場合もありますので、そうならないよう、「予防」することが大切なのです。

骨折の予防と言っても、お薬を飲む必要はないよ、と思う方もいらっしゃるかもしれません。毎日、牛乳を飲んでいるし、運動もしているという方もいらっしゃるでしょう。食事や運動ももちろん大切で、骨粗しょう症の治療の基本となります。でも、すでに骨が脆くなって骨折してしまった方や、骨密度が低い方は、お薬の力を借りて、より骨折しにくくする必要があるのです。お薬を続けることで、骨密度が上がったり、骨折しにくくなったりする効果が期待できます。

骨粗しょう症のお薬には、どんなお薬があるの?

骨には、骨を作る細胞と骨を壊す細胞があって、「作る」と「壊す」を繰り返しながら、毎日少しずつ骨をつくり変えることで、骨の強度や形が保たれています。しかし、このバランスが崩れて、骨を作るよりも壊す方が勝ると、骨の強度が低下してしまいます。これが骨粗しょう症です。


特に女性の場合、閉経を迎えると、女性ホルモンが急激に低下します。女性ホルモンは、骨を壊すのを防ぐ働きがあります。したがって、女性ホルモンが減少すると、骨を作るよりも壊す方が勝り、骨粗しょう症の状態になってしまいます。

骨粗しょう症のお薬の中には、【女性ホルモンと似た働き】をして、骨を壊すのを防ぐお薬があります。

骨を壊すのを防ぐお薬には他にも、【ビスホスホネート】と呼ばれるお薬があります。なんだかわかりにくいカタカナですが、間に偶然「ホネ」が入っていますね。このお薬は、骨を壊す細胞の働きを妨げます。

ビスホスホネートの種類や量によって、毎日飲むものや、1週間に1回のもの、1ヶ月に1回のもの、1年に1回のものがあります。この中から自分の生活スタイルに合ったお薬を処方してもらいましょう。

逆に、骨を作るのを助けるお薬もあります。骨の成分である【カルシウム】は、骨にとっては必要不可欠です。年をとるとカルシウムを吸収する力が低下してしまいます。【ビタミンD】はカルシウムの吸収を助けます。

【副甲状腺ホルモン】のお薬は、1日1回または1週間に1回、皮下に注射することで、骨を作る細胞を活性化します。他のお薬に比べて値段が高いですが、骨折の予防効果も高く、骨折のリスクの高い患者さまに使われます。

少しでも、ご自分の骨のこと、お薬の大切さに興味をもっていただけたら幸いです。

今回紹介したのはほんの一部です。もっと詳しく知りたい方は薬剤師に声をかけてくださいね。

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亀田総合病院 薬剤部 船木麻美