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(最終回)脊髄疾患によるシビレ

2013/02/15

これまで、11回にわたり、手や足のシビレを中心にご紹介してきました。最終回の今回は、足のシビレが起こる病気で、シビレがだんだん上へ昇って行く病気、脊髄疾患についてご説明します。

症状

脊髄疾患によるシビレは、左右非対称に始まることが多く、これが多発神経炎との鑑別に重要です。また、多発神経炎では、脱力を伴うことは希ではありませんが、脊髄疾患によるものでは、脱力よりも「こわばり感」・「つっぱり感」の方が先行します。そのため、「階段を降りるときに膝がわらって手すりが要るようになった」という症状は、脊髄疾患ではよく経験します。進行すると、便秘、排尿遅延が起こります。

自己診断のポイント

どちらかの足先から徐々にシビレが始まります。だんだん昇ってくると同時に足のこわばり感が起こり、歩行がぎこちなくなったら脊髄の病気を考えてよいでしょう。

解説

脊髄の病気も多種多様、また、頸椎から腰椎にわたる広い範囲で起こりますのでその診断にはプロをもってしても苦労することがしばしばです。これには、脊髄腫瘍(図)、頚椎症、椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症、黄色靭帯石灰化症などの圧迫性疾患や、脊髄型多発硬化症などの炎症性疾患、脊髄動静脈奇形などの血管病変その他数え挙げればきりが無い程です。
時に、足のシビレの前に、手指、胸、腹などに帯状のシビレ・痛み、背部痛が先行することをしばしば経験します。これは重要なサインで、脊髄を障害する病気がそのレベルにあることを意味します。

治療

正しい治療には正確な診断が重要です。脊髄疾患の診断・治療には充分な経験が必要です。神経内科、整形外科、脳神経外科でも、脊髄疾患の経験豊かなドクターの診断・治療が必要です。症状の進行が急速な場合には、一刻を争います。

日常生活に潜む危険

連載を読んでいただいた方は、おおよそどんなことがシビレの原因になっているかをご理解いただけたと思います。頬杖をついたり、足を組んで座ったり、腕枕や飲酒をして何かに寄りかかって寝てしまったりと、日常生活の中にも神経を痛める危険な落し穴がいっぱいあります。もしもシビレを感じて、思い当たる節があったら、気を付けてもう一度自分の癖をチェックしてみてください。生活動作の改善がシビレの一番の治療法であることが少なくありません。

最後に

前にもお話しましたが、神経線維が完全に損なわれていると、シビレは起こりません。感覚がなくなってしまうだけです。したがって、シビレは神経線維が「もうすぐヘタバルゾ!」とサインを送っていると言えましょう。
このサインは生体の防御反応と考えられます。サインが出ているうちに治療すれば、その回復は期待できますが、神経が変性して感覚がなくなってからでは治療は難しくなります。ジンジンしているうちに治療を開始しましょう。適切な治療のためには正確な診断が絶対に必要です。

出典 橘滋國『シビレを感じたら読む本』、講談社、2012

もっとシビレについて知りたい方は、私が執筆している『シビレを感じたら読む本』に詳しく書いています。クリニック1FのマーラマやKタワー1FのPAOLAでも販売しています。

脊椎脊髄外科顧問 橘 滋國

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