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手のシビレ 3.肘部管症候群

2012/11/15

手のシビレが起こる病気についてご紹介しています。前回は、女性の手のシビレで一番多い病気「手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)」についてご紹介しました。今回は、肘が原因で手がシビレる病気「肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)」についてご説明します。

症状

ほとんどの場合、最初は、小指と薬指、手のひらの小指側(尺側)のシビレで始まります。寝て起きたときにシビレていることがしばしばあります。時には、神経障害が進行すると、シビレではなく、感覚鈍麻の状態になり、運動障害が前面にでることがあります。運動障害の症状としては、小指、薬指がうまく伸びず合わさらないため、顔を洗うときに水がもれてしまう、箸がうまく使えないなどの症状として現れることもあります。

自己診断のポイント

シビレがある場合には、その範囲を調べてください。指先では、小指と、薬指の小指側半分のシビレであれば、尺骨神経の障害であることは間違いありません。尺骨神経の障害では、この肘部管症候群が最も頻度の高いものです。

何年も前に、肘の骨折をして変形が残っているような場合には、さらに可能性は非常に高いものとなります。肘を軽く曲げて、肘の骨の溝を走っている尺骨神経を軽く叩いてみてください。小指と、人指し指に電気が走るような感じがあれば診断はほぼ間違いありません。

解説

尺骨神経は、尺骨神経溝という上腕骨にある下端の骨の溝を走ります。肘を曲げた状態では、尺骨神経は、引き延ばされ、この骨の溝にこすり付けられる状態になります。また、表面には、薄い皮膚があるだけですから、外からの圧迫が直接神経に作用します。尺骨神経の弱点ともいうべき場所です。骨折による変形がある場合には、この変形して飛び出した骨に神経がこすり付けられて障害されます。また、この尺骨神経溝の先には、筋膜でできたトンネルの狭い入口があります。ここで神経が締め付けられて障害されることもあります。

治療

まず、第一に、頬杖をつくのは止めましょう。頬杖をつくと、尺骨神経は引き延ばされた上に、圧迫されます。寝ている間にシビレが起こる場合は、マットレスを替えてみてください。軟らかすぎも、硬すぎもいけないようです。また、眠るときに、胸の上で手を組む習慣のある人は、手のひらを上にして、肘を伸ばして眠るようにしてみてください。

内科的治療の原則は、このように、肘を極力曲げないこと、圧迫しないことが基本です。内科的治療の効果が不充分な場合には、手術を行います。筋肉がすでに痩せてしまっている場合には、手術をしても、回復には時間がかかります。手術には、狭い筋膜のトンネルの入口を切開するだけで終る場合や、骨の溝を削って深くする方法、神経を骨の溝からはずす方法など、原因に見合った、さまざまな手術方法があります。

出典 橘滋國『シビレを感じたら読む本』、講談社、2012

もっとシビレについて知りたい方は、私が執筆している『シビレを感じたら読む本』に詳しく書いています。クリニック1FのマーラマやKタワー1FのPAOLAでも販売しています。

脊椎脊髄外科顧問 橘 滋國

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