ページの先頭です

骨粗しょう症と椎体圧迫骨折

2014/7/15

-今回は「骨粗しょう症と椎体圧迫骨折」のお話をします。

「コツソショウショウ?なんか、舌をかみそうですね。どんな病気なんですか?」

骨粗しょう症について

骨粗しょう症とは簡単にいうと「骨がもろくなった結果、骨折のリスクが高くなった状態(1991年、骨粗しょう症コンセンサス会議)」です。
レントゲンで骨密度を測定することができますが、骨密度が若い人と比較して(「YAM値 (ヤムチ:young adult meanの略です)」と呼んでいます、キムチではありません)70%以下に低下した場合を「骨粗しょう症」と定義しています。
日本では50歳以上女性の24%(681万人)、男性の4%(96万人)が骨粗しょう症に罹患していると推定されています。

椎体圧迫骨折

骨粗しょう症があると、尻もちをついたとか重たいものを持ったとか、普通は何でも無い動作や軽微な外傷でも背骨がつぶれてしまうことがあります。これを「椎体圧迫骨折」と呼んでいます。わが国では70歳代の25%、80歳代の43%に圧迫骨折が認められると報告されています。
厄介なことに一つの骨が圧迫骨折を来すと、その上下の椎体も連鎖反応的に骨折する傾向があります。骨折による高度な腰痛だけでは無く、背骨の変形や姿勢の異常、さらにそれに伴う消化器系や呼吸器系の障害の原因にもなります。

軽微な外傷の後、寝返りも打てないほどの腰痛が続く場合には、「圧迫骨折」を疑って早めに医療機関を受診してください。
骨折の急性期ではレントゲンだけでは診断がつかないことがあります。是非、MRIを撮影してもらってください。

椎体圧迫骨折に対するセメント治療(BKP)

椎体圧迫骨折の治療の原則は「安静と疼痛コントロール」です。圧迫骨折と診断されたら無理をせず、できるだけ安静を保つように心がけてください。コルセットの着用は必須です。できれば市販のものではなく、自分の体に合わせた医療用コルセット(ダーメンコルセットなど)を作成してもらった方が良いでしょう。
保存的治療によっても腰痛が改善しない場合や、骨折が治らず偽関節となってしまった場合などは、骨折椎体の中に骨セメントを注入する手術(balloon kyphoplasty, BKPと略します)があります。
1時間ほどで終了する比較的簡単な手術ですが、患者さまの満足度は80%以上です。かつては保険が認められていなかったため自費診療で手術を受けていただいていましたが、「脊髄外科の指導医がいて、BKPのトレーニングを受けた施設」に限り保険適応が認められるようになりました。
当院では2011年よりこの治療を行っています。

椎体遅発性神経麻痺

圧迫骨折により骨変形が進行し、神経を圧迫するようになると、下肢のしびれや歩行障害を来すことがあります。これを「遅発性神経麻痺」とよんでいます。この状態になると脊椎固定術が必要となります。
「骨折かな?」と思ったら、我慢しないで早めに専門医にご相談ください。

【お知らせ】

脊椎脊髄外科では、膠原病内科の先生方と協力して「骨粗しょう症性圧迫骨折」の治療に取り組んでいます。
脊椎脊髄外科の予約が取りにくい場合には、膠原病内科「腰痛外来」を受診してみてください。

脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫