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背骨の仕組みと働き

2014/5/1

-第1話では私たち「脊椎脊髄外科」の紹介をさせていただきました。今回のテーマは「脊椎の解剖と機能」です。

「解剖と機能?…なんだか難しそう」

-簡単に言うと「仕組みと働き」です。背骨や神経が本来どんな形をしていて、どんな働きをしているのか知っておいた方が、病気について理解しやすくなります。少し回り道になりますが、最初に「背骨と神経の仕組みと働き」についてお話します。

背骨の仕組みと働き

イラストを見てください。左側のイラストは背骨を前から見たところ、右側が左横から見たところです。
背骨は1本の骨ではなくて、「椎骨」と呼ばれるブロックの形をした骨がいくつも積み重なってできています。
これを頭のほうから順番に、「頚椎」「胸椎」「腰椎」、そして一番下の大きな骨を「仙骨」と呼んでいます。
仙骨の下端には退化した尾骨がついています。ブロックの数はいくつありましたか?

「24個!」

正解です。頚椎から腰椎まで、ブロックの数は併せて24個あります。

椎骨と呼ばれるブロックの数は決まっています。頚椎は7個、これが人によって8個だったり、6個だったりということはありません。そればかりか興味深いことに、哺乳類の頚椎の数は基本的には7個です。ネズミのような小さな動物も、キリンのように首の長い動物も、一つ一つの椎骨の大きさや長さは異なりますが、頚椎の数は7個です。胸椎は12個です。胸椎には肋骨がついています。

腰椎は5個です。でも人によって4個だったり、6個だったりすることがあります。5個の人が80%、6個の人が15%、4個の人が5%位といわれています。
その下の仙骨は、もともと5個に分かれていた骨がくっついて一つの骨になったものです。もし4個の骨がくっついて仙骨を作っている場合には、一つ骨が余ってしまいますので、見かけ上腰椎が6個あるように見えることになります。

もう一度イラストを見てください。背骨は前から見るとまっすぐ、横から見るとわずかにカーブしていることがわかりますね(これを生理的弯曲といいます)。
頚椎と腰椎は前に(前弯)、胸椎は後ろに(後弯)カーブしています。赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるときには、背骨はみんな後ろにカーブしています。
ハイハイするようになると頚椎の前弯が、立っちするようになると腰椎の前弯が形成されてきます。

「体を支える(支持)」「体を動かす(運動)」そして「神経の保護」―この3つが背骨の大切な役割です。皆さんが座ったり立ったりすることができるのは、背骨が体を支えてくれるからなんです(支持機能)。
荒川静香さんのイナバウワー、覚えていらっしゃる方も多いと思います。あんな華麗な技も背骨が1本の硬い骨では無くて、一つ一つのブロックが少しずつ動くから可能になるんですよ(運動機能)。
そして次回お話しする神経を保護しているのも背骨の重要な役割です(神経の保護)。

「背骨ってすごいんですね」

脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫