ページの先頭です

アレルギー性鼻炎(花粉症)の治療

前回、花粉症の症状、原因、診断についてご紹介しました。日本人のおよそ5人に2人が花粉症と言われており、多くの方がつらい症状に悩まされています。くしゃみ・鼻水・鼻づまりによる集中力の低下、学習効率や労働生産性の低下、睡眠障害、イライラや倦怠感のために、生活の質が大きく低下してしまいます。

鼻アレルギーの自然治癒率は10数%とされているため、何らかの対策が必要です。今回は、我々の生活の質を著しく損なっている花粉症の治療についてご紹介いたします。

花粉症の治療にはどんなものがあるの?

花粉症の治療には大きく分けて、①アレルゲン(抗原)の回避、②薬物療法、③生物学的製剤、④アレルゲン免疫療法、⑤手術療法があり、これらにより「症状がない、または、あってもごく軽度で、日常生活に支障のない状態」を目指します。アレルゲンは「アレルギーを引き起こす物質」のことを言い、ここでは花粉を指します。それでは一つ一つ見ていきましょう。

①アレルゲン(抗原)の回避

花粉を吸わないことがまず大切です。外出時にはマスクをし、帰宅時には玄関で衣類についた花粉を払い、屋内では窓や戸を締め切り、花粉の侵入を防ぎます。しかし、こまめな換気が必要なコロナ時代にあっては窓や戸は開けておくことが優先されますので、今シーズンは鼻症状を強く感じる方が多くなると予想されます。

②薬物療法

薬物療法には内服薬、点鼻薬があります。これらには体内のアレルギー反応を抑える効果があります。根本的に治すわけではないので、効果が持続するのは薬を使用している間のみとなります。

③生物学的製剤

アレルゲンの回避や薬物療法だけでは効果が不十分の方が対象となる新しい治療です。花粉によって体内に作られた抗体と結合することによって、アレルギー反応の元となる部分をブロックします。薬物療法と同様に、「治す」薬ではありません。血液検査の結果などにより通院頻度が定められ、2週間ごと、もしくは4週間ごとに注射を行います。

④アレルゲン免疫療法

残念ながら当科では扱っておりませんが、体質を変える根本的な治療です。アレルギーの原因物質を少しずつ投与することで身体を慣らし、アレルギー反応を起こりにくくする治療です。皮下注射による皮下免疫療法、または舌下投与(舌の下に1分間置いた後に内服)による舌下免疫療法があり、いずれも十分な効果が出るのに3~5年かかりますが、その有効率は高く、長期的な効果があると言われています。

⑤手術療法

アレルゲンの回避や薬物療法ではつらい症状を抑えきれない方に対して、当院では内視鏡を用いた手術を行っています。鼻の粘膜を変性させる「レーザー手術」、鼻の通りを良くする「下鼻甲介手術」、鼻水やくしゃみを抑える「後鼻神経切断術」などがあります。

レーザー手術は局所麻酔で行うことができ、日帰り手術のため簡便です。効果の持続は1~3年と言われています。数日間入院し、全身麻酔で行う下鼻甲介手術・後鼻神経切断術は、より長期的な効果が期待できます。

当院で行っている手術の一部を動画にしましたので、実際の治療の様子をぜひご覧ください。
※手術動画になりますので、苦手な方はご遠慮ください。

色んな治療があるのはわかったけど、結局どの治療が一番良いの?

それぞれの患者さまの重症度やニーズによって大きく異なります。年齢やかかる費用によって希望する治療が受けられないこともあります。花粉症の方もそうでない方も、つらい鼻症状にお困りの方は、まずは一度お気軽にご相談ください。

文責:亀田総合病院 耳鼻咽喉科 岡本拓也
(2021.2.15作成)

耳鼻咽喉科のご案内

医療法人鉄蕉会 医療ポータルサイトについて

本サイトは、 医療法人鉄蕉会 が運営しております。