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NEAT(ニート)を高めよう!

2018/3/1

体にたまった余分な脂肪を消費するために有酸素運動が推奨されていますが、なかなか日々の生活にウォーキングやジョギングといった有酸素運動のための時間を確保することは容易ではありません。一念発起して「健康のために運動を始めるぞ!」と気合を入れ運動をはじめてみたものの三日坊主で終わってしまったという経験をお持ちの方も多いと思います。

今回のお話は、「体重を減らしたいけど、運動はちょっと…」という方へのとっておきのお話です。

実は運動以外にもエネルギー消費に大きく貢献する「ニート?」が近年、注目されてきました。日本でニートといえば、仕事をしていない「若者無業者」を連想しがちですが、今回紹介するニート(NEAT)は全く別物です。正式には、Non-Exercise Activities Thermogenesisの頭文字で、日本語訳では「非運動性熱産生」、つまり「運動ではない日常生活活動による消費エネルギー」を意味します。これは通勤や通学、階段昇降、掃除洗濯など日常生活場面そのもので消費するエネルギーのことを指しています。消費エネルギーは、大きく基礎代謝(約60~70%)、NEAT(25%)、食事(10%)、運動(5%)に分けられますが、基礎代謝に次いでNEATはエネルギー消費が高いのです。2005年アメリカのサイエンス誌に「太っている人はやせている人に比べて、1日に164分間座っている時間が長い」といった研究が発表されました。これは日々お茶碗2杯分(350キロカロリー)のカロリー消費が滞り、その分のカロリーが体内に蓄積されている計算になります。歩行に換算すると2時間程度の普通歩行(約30分で100キロカロリー)、早歩きで70分程度の運動量となり、1週間まとめると2,450キロカロリーでフルマラソンに匹敵する消費エネルギーとなるのです。

また、NEATを高めることが健康づくりに効果的であることを示す研究があります。例えば、通勤に自動車から電車に切り替え12~18ヵ月後に体重が平均約3.4Kg減少したという報告があります。米国の研究では14年間の調査において、座っている時間が1日3時間未満の方では、1日6時間以上の方と比べて、女性で約27%、男性で約15%死亡率が低かったと報告しています。日本の研究でもNEATによる歩行時間が1時間以上の方は30分未満の方に比べて、38%も脳卒中や心筋梗塞で亡くなる危険性が少ないという報告が示されています。

これらの報告からもわかるようにNEATの高い生活習慣の獲得がいかに減量や健康寿命延伸において重要かということがよくわかります。

以下にNEATを高める工夫例をお示しします。

日常場面でのNEATを増やす工夫例

  • 姿勢を延ばす
  • 腕を上げる(万歳)
  • 大股を意識する
  • 通勤ではバスや電車の一駅分を歩く
  • 駅や歩道橋など積極的に階段を使う
  • 職場でも1~2階ならエレベーターは使わず階段を使う
  • 職場でPCを使用する場合は、立位で行う
  • 朝、新聞・郵便物取りなど、何でも自分で動く
  • 休日は家のそうじや車のそうじをする
  • 立ってテレビを見る
  • ペットと散歩する


などはほんの一例です。他にも皆様自身が実行可能な工夫を検討してみてはいかがですか?運動嫌いな人ほど、「座わる時間を少なくする生活習慣」が大切です。

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亀田総合病院 リハビリテーション事業管理部 村永信吾