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高次脳機能障害

2007/06/15

脳の役割

「右脳はひらめく脳、左脳は考える脳」と呼ばれることをご存知でしょうか。脳は部位によって役割が異なります。前頭葉、側頭葉、頭頂葉に後頭葉と呼ばれる分類がそれです。
前頭葉は思考や意思決定、側頭葉は聴覚からの情報をまとめています。頭頂葉では様々な情報を合わせ、後頭葉は視覚の役割を担っています。これを「機能局在」と呼びます。その為、損傷された脳の部位によって様々な症状の「高次脳機能障害」が起こるのです。

高次脳機能障害って何?

脳卒中や交通事故などで脳に損傷を受けた結果、"覚えられない(記憶障害、学習障害)""考えがまとまらない(注意障害、思考障害・言語障害)""怒りっぽくなる(情動障害、感情失禁)"などの症状が出た状態を言います。中には、計算だけが出来なくなる障害といった特異なものもあります。
『見えざる障害』と呼ばれる高次脳機能障害は障害を負っている本人でさえ障害を十分認識できず、職場での失敗や対人関係の崩壊を引き起こしてしまいます。この障害はことばや行動に現れ生活に支障をきたすことがあるからです。

「失語症」ってご存知ですか?

左の脳には言葉を司る部位があり、そこを何らかの要因で損傷されると言葉に関わる高次脳機能障害が出てきます。失語症では「話す・聞く・読む・書く・計算する」といったコミュニケーション全般に関わる能力が上手くいかなくなってしまいます。例えば、あなたが突然、海外の言葉も文字も分からない国に訳もわからず放り込まれたと考えるとイメージしやすいでしょうか。それが日本に居ながらにして、脳卒中などによって起こってしまいます。一番身近な家族とのやり取りも出来なくなるでしょう。周囲の人も自分自身も混乱してしまい、人とうまく関われないことで孤立してしまうことが多い障害だといえます。

失語症友の会

「失語症友の会」という高次脳機能障害を世間に啓蒙する活動があります。当事者団体の一つの形で全国に130もの団体が存在し、全国集会も催される程です。当院でも、2006年度より言語聴覚士を中心に「こだま会」という失語症友の会を発足しました。南房総地域の失語症を抱える方あるいは家族が一同に会し、同じ様な悩みを打ち明けることは大変意義があります。

「高次脳機能障害」をもっと知ろう!

麻痺のない高次脳機能障害は介護保険では十分なケアを受けられない場合があります。見えない障害であるからこそ、職業復帰も含め社会的に冷遇される事も多いのです。地域で安心して暮らせるためにも多くの人が高次脳機能障害を知ることが大切だと思います。
もし、高次脳機能障害や失語症を抱えた方と関わる機会がありましたら、そのときはゆっくりとその方の話を聞いてください。言葉を話すことができなくても、表情で、しぐさで、行動で、きっとその方はあなたにサインを送っているでしょう。

亀田リハビリテーション病院リハビリテーション室 香川 哲ST

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